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上海、海賊版探索記

 2010年、上海で海賊版を売っているところを探したのですが、その頃すでに海賊版の店は少なくなっていて、なかなか見つからない。いろいろ聞くと、「文届」という、本の卸屋さんが集まっている街があって、そこで以前に海賊版を見たことがあるので、そこにはあるのではないかという。まあ、本の街であれば、いずれにせよマンガもたくさん売られているはずなので行ってみることにしました。でも、街を歩いても本の市場を見ても、正規版のマンガや日本動漫のグッズは売っていますが、海賊版マンガはみつからない。もう半ばあきらめて、ダメもとでそのへんのお店の人に聞いてみると、「海賊版を探してるの? だったら仲介の人を呼ぶから、あそこの角で待ってて」。
 え……? 半信半疑で通訳の人と一緒に待っていると、「海賊版を探しているのはおまえか?」と男の人が現れました。はい、とうなずくと、ついてこい、とうながします。おずおずと後ろをついていくと、いくつかの角を曲がって、着いたところは鉄格子の前!! 鉄格子の向こうにもまだ道が続いています。男は、鉄格子の中まで入るように促します。え、いいの!? こんなとこ……ひょっとしてやばいんじゃないの??? 
 1人なら絶対行かなかったと思うのですが、通訳の方が男性で、もう一人連れがいたのもあって、毒を喰らわば皿まで。鉄格子の中までついていくことにしました。そこからまた路地また路地と進んでいって、男はある建物の前で立ち止まりました。「ちょっと待ってろ」と言い残して階段を上がっていった男が戻ってきて手渡したのは、白い紙にぎっしりの作品リスト。「この中にお前の探している本はあるか? 選べ」と言ってる、と通訳さん。選んだら絶対買わなきゃいけないのか? と聞くと、いや、見て選んでもいい、という返事。それで、中国でも人気だと思われる作品をいくつか指定しました。すると男はうなずいて、また階段を上がっていきます。もどってきた彼が手にしていたのは、箱入りやらバラやら、たくさんの海賊版。その中からいくつか買って、私たちはまた男に案内されて鉄格子の外へ。もう二度とあの場所に行くことはできません。
 いや〜、ドキドキしました。まるで麻薬取引みたい! でも、裏返せばそれだけ、海賊版が取り締まられ、生息できなくなってきているということです。
 しかしその後、上海の街中にもまだ海賊版書店があることがわかり、さっそく行って中村明日美子『Jの総て』(海賊版だとこんなのも出てるんです!)などを買ってきました。海賊版のマンガ屋さんはどこでも同じような入口をしているのが印象的でした。

電子海賊版の現在

 さて、このように、紙の海賊版はだいぶ駆逐されてきているのですが、それに取って代わっているのが中国語のスキャンレーションです。これはマンガをスキャンして、吹き出しの中をトランスレーション(翻訳)し、ネットにアップする、いわゆる電子海賊版です。
 紙の海賊版は安いとはいっても値段はありますが、これはアクセスすればタダで読めるからたちが悪い。翻訳してアップロードしている人たちはファン活動としてやっているわけですが、アメリカなどでは、そういうファン翻訳をネットの自動収集で自分の巨大サイトに集め、企業から広告料を取って巨額の利益を上げながら、作者にも翻訳者にも一銭も払わない、という(悪質な)スキャンレーションサイトが複数存在します。そういうサイトそのものも問題ですが、組織的なスキャンレーションが問題なのは、それが読者に、「マンガなんてタダで読めるのが当たり前。権利者が金を要求する方が悪い。横暴だ!」といわんばかりの意識を育ててしまうことです。英語圏の読者ではすでにその意識が大きくなってる。
 中国はそれに比べれば、作者への熱い尊敬もあるし、第一、ほんとうに海賊版でないと読めないので仕方がないのですが、ネットなので、正規版がふつうに買えるはずの他の中国語圏でもそれを読むことができてしまうことは問題です。
 しかし、その中国も、2011年から政府がネット海賊版の取り締まりに乗り出し、アニメのネット海賊版(ファンが翻訳した字幕を付けるので、アニメの場合はこれを「ファンサブ」と言います)については、それまでいくら削除要求をしてもほとんど削除されなかったのが、2011年1月から急に、逆にほぼ100%削除されるようになりました。
 もっともこの裏には、中国のネット動画の二大サイトだった豆土とYOUKUが合併して上場するという事情もあり、上場にあたって海外からの投資を募るのに、海賊版ばかりのサイトではまずい、という判断があったようです。このあたりをきっかけに、アニメ配信はテレビ東京との正規契約を皮切りに正規配信へと切り替わり始め、今ではかなりのテレビ局、アニメ会社が中国のサイトと正規配信の契約を結んでいるようです。
 ただ、習近平政権になって、表現に対する規制が厳しくなる傾向にあり、ネットでの日本アニメの配信も禁止するという話も出ています。そうなれば、せっかく定着し始めたネットの正規配信も立ち消えになり、ネットはまた海賊版に逆戻り。そんなことにはなってほしくないですが、ここは中国政府の思惑いかんにかかっています。

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