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そして探訪は続く

 紹介されたJOSE MANGA Schoolに行ってみると、なんと『キャプテン翼』の高橋陽一先生によるゲスト講義が!サッカーの国スペインでは「キャプ翼」は大人気。おまけに今年の「サロン・デル・マンガ」のテーマは「スポーツ」なので、会場では『キャプテン翼』が大フィーチャーされています。ここで高橋先生にお会いできるとは!

 マンガスクールの講師の方には翌日取材して、熱いマンガ語りを聞くことができました。この学校は35年前に開校して、最初はスペインマンガ(ユーモアコミック)を教える学校だったのですが、スペインに『ドラゴンボール』が入ってくると、あまりにスタイルが違うので、生徒から「どうやって描くの?」と聞かれるようになり、フランスに行って勉強したりして15年前からマンガコースを設置したのだそうです。『ドラゴンボール』の後、『北斗の拳』や『BASTARD!!』も入ってきて、「マンガは子供だけのものじゃなかったんだ!」と強いインパクトを受けたのだそう。「マンガはより深く、より豊か」で「感情も動きも読者に深く語りかける」「アクションの間に急に眼のクローズアップが出てくる。それで感情がわかる。それがマンガだ!」と熱く語ってくれたのが印象的でした。

 このようにサロン・デル・マンガには、マンガ関係者が一堂に集っています。出版社も、もう一つ大きいのがイベリア(IVREA)社。スペインのほかにアルゼンチンとフィンランド(!)に支社があり、壁のゴキブリが目立っていますが(笑。もちろん『テラフォーマーズ』です!)、ここでは少女マンガの比重が高いのが特徴です。また「涼宮ハルヒ」のライトノベルのシリーズを出している!しかも『スラムダンク』に続いて井上雄彦『バガボンド』が売れているという!
 意外に感じられるかもしれませんが、井上雄彦さんはアジアでは超のつく大人気ですが、欧米ではなかなか広まりません。「サムライ」ものは欧米では『るろうに剣心』とか『無限の住人』の方がよく売れている。『スラムダンク』もなぜか欧米ではベストセラーにはならず、そもそもスポーツマンガというものが欧米にはほとんどないのです。その点でも、スポーツマンガがフィーチャーされ『スラムダンク』が売れるスペインは珍しい。ライトノベルもしかりで、東アジアでは人気があっても欧米ではほとんど見かけない。これは『ドラえもん』とか『クレヨンしんちゃん』もそうです。アジアでは超のつく大人気でも、欧米ではあまり人気がでない。
 けれど唯一、ヨーロッパで『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』を愛する国、それがスペインなのです!スペインにはかつて西アジアの血が入っているし、きっとどこかアジア的なところがあるのでしょうね。フラメンコなどの音楽もちょっと哀調を帯びていて日本人の心と共振するところがある。合理性や進歩主義が支配的というより、どこか諸行無常を感じ取り、義理人情を重んじるようなお国柄がありそうです。
 さて、この日の最後のインタビューは、「サロン・デル・マンガ」の文化アドバイザーでもあり、日本マンガの翻訳家・研究者としても有名なマルク・ベルナベさん。じつは二つの出版社へのインタビューもベルナベさんがセッティングしてくださったのです。感謝してもしきれないくらい。
 ベルナベさんからは、基本的なことから業界の裏話までさまざまなことを教えていただきました。やはりスペインでも、日本マンガが広まったきっかけはアニメにあったようです。89年に民放局が三つできて、放送時間を埋めるために日本アニメを使った。『ハイジ』『母をたずねて3千里』(=「マルコ」)『みつばちマーヤ』などもスペインでは有名ですが、なかでも人気だったのが『ドラゴンボール』で、原作が発売されると爆発的に人気が出た。さらに、フランスのグレナ(Glenat)社がフランスでの成功体験を基に、左開きのアメコミ冊子形式ではなく、日本式の右開き単行本形式で刊行を始めたのをきっかけに(プラネタ社の話によると1999年の『るろうに剣心』が最初。それを受けて『ドラゴンボール』が単行本形式で出されたのが2000年)、2001年から第二次マンガブームとなり、2008年までは作品数も売り上げもうなぎ上りにあがって行きます。しかしその後、フランスの本社から独立したスペイン・グレナ社は、あまり経営がうまくいかなかったようで、今ではEDTという名前に変わり、大幅にシェアを減らしてしまいました。

 ここで面白かったのは、普通の人気少年マンガ以外に、スペインでは駕籠真太郎・日野日出志・丸尾末広といった作家たちがカルトな人気があるということ。だから、今年のゲストが駕籠真太郎さんなんですね。並んでいる本を見ていても、どうもスペインではホラー好きな人が多そうです。今のアメリカでゾンビや吸血鬼が流行っている性もあるかもしれませんが、古いアメコミ雑誌『CREEPY』の復刻愛蔵版なんかも書店で目立つ。
 ここで、ずっと疑問に思っていたことを聞いてみました。「スペインはヨーロッパなのに、なぜBDではなく、アメコミの方がはるかに売れているのか?」です。
 でもベルナベさんにも理由はよくわからないという。ただ、60年代末から80年代にかけてアメコミがすごくたくさん出た。なかでもマーベルが大人気で、それが今に続いている。現在、アメコミではアメリカ本国に次ぐ第2市場はスペインなのだそう。
 2002年の統計では半分以上を占めていたアメコミは今は市場の4割ほどで、日本マンガが3割。BDとスペインマンガは変わらず2割と1割。だとすると、アメコミの1割はこの10年で日本マンガに取って代わられたわけで、やはりコミックのキオスク売りが減って書店売りになってきたことと関係があるのかもしれません。
 飲み物としてコーラが一般的だったり、マンガに限らず、スペインにはどうもアメリカ文化の影響が強く見られます。これは、スペイン語圏である中南米がアメリカと接しているという理由もあるかもしれませんし、フランコ政権の間、スペインがヨーロッパよりアメリカから強い支援を受けていた、ということとも関係があるかもしれません。スペインのNATO加盟も遅く、やっと1982年のことで、この時期から、ヨーロッパとの関係がまた結び直されたのかも。それまではアメコミがすごい勢いで入ってきていたというのも、そう考えるとつじつまが合うような気がします。

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