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コスプレ?
それとも、マスカレード?



 「ルッカ コミックス&ゲームス」に参加するには、チケットが必要です。4日間通しのもので40ユーロ。1日ごとの値段は15ユーロ。2日間、3日間の割引もあります。チケットは、個人情報を登録して購入する形のインターネットのほか、指定された売店でも購入可能。当日も買えるようですが、ものすごい長蛇の列なのでお勧めできません。なんせチケットを持っていても、毎日、所定の場所に行ってチケットを見せて、その日の色の紙のブレスレットを手首に巻いてもらう、という手続きが必要なんですから。
 さて、会場の城壁の周りにはたくさんの出店が並んでいて、まるで縁日のよう。その周りに群がっている人々は、かなりの人がコスプレです。日本のマンガやアニメのコスプレだけではなく、不思議の国のアリスや中世の騎士、さまざまなヒロイック・ファンタジーの登場人物など、衣装の幅が広いのが特徴。カメラを向けるとポーズを取ってくれ、完成度の高いコスプレには、カメラを持った人が周りに群がって、そのあたりはコミケでもよく見る風景。城壁の上も歩けるようになっていて、中世の城壁の上を、さまざまな物語のキャラクターたちが時空を超えて散歩しています。そう!ルッカは、街中がコスプレ写真の背景として抜群の場所!みんな衣装が板についているのは、やっぱりイタリアがカーニバルの国だから?昨年『テルマエ・ロマエ』のイタリア語版が出るというので、このルッカのフェスティバルに参加なさったヤマザキマリさんが、「ああ、これはベネチアのカーニバルのゆるゆるバージョンかもしれない」とブログで書いていらっしゃいましたが、ハートの女王からトランプたちから三月ウサギに帽子屋までいる、不思議の国のアリスの合わせのコスプレ軍団の水準の高さには、思わず目が離せなくなりました。日本のマンガ・アニメネタでは、ものすごく完成度の高い『デスノート』の死神リューク(小畑健さんもイベントで感心していました)、女性版ウソップ、それに『輪るピングドラム』の「きっと何者にもなれないお前たちに告げる」プリンセス・オブ・ザ・クリスタルなど。キャットウーマンを壁に押し付けて口説いているマリオがいたのには、見ちゃいけないと思いながらも目が釘付け(笑)。


イタリアン・コミックスの歴史と現状

 展示やイベントには歴史的な建物も多く使われていますが、出版社やゲーム会社、キャラクターメーカーの販売ブースとしては、いくつかのテントが建てられており、その中で展示即売会が開かれています。コミック・フェスティバルは、その国のマンガ文化が一堂に会したところを一覧することができるチャンス。さっそく出版社の展示ブースへ。
 実はイタリアではマンガ学校が盛んで、だいたい4つのコースに分かれています。すなわち、@「イタリアン・クラシック」:モノクロの、イタリアの伝統的なマンガ。1p3段6コマで描かれることが多く、ボネッリ社というところが多く出しています。AB.D.[ベーデー]:フランス・ベルギーを中心としたカラーで美術性の強いヨーロッパマンガ、Bアメリカン・コミックス、それにC日本マンガ、の四つです。イタリアでは、アメリカのコミックの中でもとくに「ディズニー」の描き方を教えるコースがあるのが特徴的。「ディズニー・コミックス」は実はイタリアを拠点として出版されているって知ってました?
 滞在中、イタリア人はかなりコミック好きのように感じましたが、多品種少量生産で国内市場があまり大きくなく、国内だけでは食べていけないことが多いので、だいたい、アメリカなりフランスなりで仕事をすることを目指す、というのが多いパターンのようです。

 そんなわけで、すべてイタリア語のマンガとはいえ、会場にはさまざまな国のマンガが溢れています。イタリア・オリジナルのマンガ家さんの作品にどういうものが多いかというと、印象的なのが、強くて健全なエロチシズム。これは本当に、イタリアで有名な作家の作品をみるたびに思いました。
 以前、アングレームで、縛られた裸の美女に迫る回転する刃…みたいな表紙の、エロチック&スリリングを売りにしたモノクロの小冊子のシリーズを見かけて惹きつけられ、買おうとしたら、実は1冊何万円もするのがわかり、すごすごと帰ったことがあります。この写真を小野耕世さんに見せたら即座に、「これはイタリアのシリーズだよ」。それ以来、私の中で、イタリア=エロが盛ん…というイメージができているんですが、これ、必ずしも偏見ではなかろうと思います。
 人気マンガブログ「漫棚通信」さんなんかも、女吸血鬼物を中心とした、非常に面白いイタリアのエロチックなシリーズを何回かにわたって取り上げていらっしゃいますし、世界的に有名なイタリア人マンガ家、グイド・クレパックスなんかも、エロチックな作風で知られています。イタリア人が愛してやまない作家、ミロ・マナラなんかにしてもそうだし、たしかに世界的に知られるエロチック・コミックの巨匠はイタリア人が多いんですね。「漫棚通信」さんによると、イタリアでエロチック・マンガが盛んになった背景には、仕掛け人たるレンツォ・バルビエリという編集者の存在があったそうです。興味がある方は、ぜひブログを読んでみてください。

 イタリアのエロチシズムはものすごくレベルが高いんですが、もちろん、イタリアマンガはエロばかりじゃない。世界的に有名な作品だと、ユーゴ・プラットの「コルト・マルテーズ」(イタリア語読みだと、ウーゴ・プラットの「コルト・マルテーゼ」)なんかがあります。今回、ものすごく素敵な手帖と豪華限定本を見つけて思わず買ってしまったのですが、「海賊」で冒険家のトレジャーハンターを主人公とするこの物語は、フランスでアニメにもなっている人気作。また、このユーゴ・プラットという人が、超国際的な人で、イタリアで生まれて子どもの頃エチオピアへ。戦時中は捕虜キャンプに入れられ、戦後、イタリアへ戻って漫画家としての活動を開始。やがてアルゼンチンから招請されて美術学校でマンガを教えるようになり、10年ほどアルゼンチンマンガ界で活躍(実はアルゼンチンのマンガはものすごくレベルが高い!)。そこからイギリスにわたって、またイタリアに戻ってこの「コルト・マルテーズ」を始め、次にフランスへ移住してこのシリーズをフランスの雑誌に連載して大ヒットさせます。約15年間フランスで活躍したのち、晩年の10年ほどはスイスに移住(このあたりも「漫棚通信」さんのブログに詳しい)。主人公が世界をまたにかけて活躍するこの作品は、生まれるべくして生まれたというわけですね。
 そして何より嬉しかったのは、「コルト・マルテーゼ」の豪華本を売っていた出版社(Rizzoli:ここは「タンタンの冒険」のシリーズや谷口ジローさんの作品も出していたので、かなり質の高い版元のようです)で、『イタリアマンガ150年の歴史』という大きな本を見つけたこと!イタリアマンガの通史としては初めての本だそうで、このフェスティバルに合わせて出したのだとか。これが一番大きな収穫でした。

イタリアの日本マンガ

 一方、イタリアにおける日本マンガはどうかというと、一説によれば、ヨーロッパで最初に日本マンガを受け入れたのはイタリアだそうです。イタリアは、ヨーロッパには珍しく白黒のマンガが主流だったため、早くから日本マンガが入りやすかったのだとか。ヨーロッパで知らない人のいないアニメ「ゴールドラック」=永井豪さんの『グレンダイザー』、が最初に入ったのもイタリアだと言われています。マンガで初期の頃、特に人気が高かったのは『キャンディ・キャンディ』。
 あまりに人気だったので、『キャンディ・キャンディ』を連載するための雑誌も作られ、現地のマンガ家さんが描いた「キャンディ」の続編(!)があると言われていて(イタリア限定で出版、ということで特別に許可されたそうで、マンガでなく小説だという説もあり)、今回探してみたのですが、やはり見つからず。また、『ルパン3世』も人気で、これも、独自に描かれたイタリア版があるのだとか。実際、ルパンって、イタリア人っぽいですものね。そういえば会場で、コスプレではないのに次元そっくりな男の人を見かけました。
 日本マンガのシェアで一番大きいのはパニーニ社(『デスノート』『バクマン。』などはここから出ています)で、次がスターコミックス(『テルマエ・ロマエ』はここから)。他にもたくさんの出版社が日本マンガを出していて、驚いたのは『聖闘士星矢』の新シリーズに、巻数が同じで表紙が違うものがあったこと。理由を聞くと、「限定版」としてカバーだけが違うものを出すと、熱心なファンは喜んでくれる、のだそうです。また、別の出版社では、少女マンガと青年コミックに力を入れていて、少年マンガは当たると大きいが、キオスクに配本できるような大部数のものしか作れない、確実なところを狙っていこうとすればむしろ、マンガ専門店で本当に好きな人が買ってくれるような少女マンガ・青年マンガを出していく方がいい、と語ってくれました。各巻数千部の部数だそうだけど、造本なども工夫されていて、魅力的な本作り。イタリアの人たちは本当にマンガを愛してくれているんだなあ、ということがひしひしと伝わってきます。アメリカでもヨーロッパでもアジアでも、日本マンガ市場は減少か頭打ちになっているところが多い中で、イタリアは不況の影響で今年初めてちょっと下がったけれど、これまで、日本マンガ市場はずっと右肩上がりを続けてきたのだそう。ありがたいことです。 

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