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永山:今の斎藤さんの話はすごい面白かったんですけれども、逆に言うとですね、バーチャルなものに対してガンガン規制をかけていくとどういうことになりますか。

斎藤:いや、それこそ健全な性犯罪が増加するんじゃないかなと(会場爆笑、拍手)。

永山:だから、少子高齢化という問題を考えると、規制したほうがいいのかも(笑)。

坂田:同様に、規制をどんどん進めたと仮定すると、どういうメリットデメリットがあるかという質問を法曹家の立場から望月さんにお願いします。

望月:どうなんだろうな……。ちょっと待ってもらって、小難しい話に戻って恐縮なんですけれども、なんで表現の自由っていうのが定められているか、それがけっこう強い権利としてカタチ上あるかっていうと、ひとつの大きな理由に、表現の自由っていうのは、いったん制約が始まってしまうとどんどん浸食していく可能性があると。で、いい表現悪い表現の境目というのがものすごいあいまいなわけで、そこらへんの線引きっていうのがよくわからないままどんどん食い込んでくる可能性があると。しかもその表現の自由ってのは、1回押さえつけられちゃうと書く側が萎縮する。今度やったらまたパクられるんじゃないだろうかとか、どんどんどんどんそうやって、正しくない言い方かもしれませんが、表現者を殺していく可能性があるということから最大限保障すべきだというのが、憲法の基本的な理念なんですね。
 その意味で制約がどんどん進んでいくと、ものが言えなくなる。実際はセーフなんだけれど、ちょっとマズいかな、という思いがどんどん強くなって、表現者個人が萎縮していっちゃうという可能性が出てくると。非常に古典的な話ですけど、そういう問題は常にあるんじゃないかなと思います。

伊藤:今、永山さんから出た質問っていうのは、僕も新聞の取材とかを受けると、わりと記者さんからされたりするもんですね。結論を取り出していうと、表現がやせてしまいますと、ある種の豊かさというのが失われますよと、そしてそれはおそらくは誰の利益にもなりません、という風にお答えしています。よくそういうときに例え話でいうのが、昔の小咄でですね、殿様が家来に、菊の花の一番下の葉っぱをむしっておけといって出て行く。で、帰ってくると葉っぱが全部むしられていて、花しか残っていない。なんだこれはといって怒るとですね、一番下の葉をむしったところ(その上に)まだ一番下があります、それをむしるとまだ一番下があります……と。結局丸坊主になってしまうと。規制をしたいという、これやっぱり欲望と言っていいと思いますが、には何かしらの歯止めがないとこうなってしまいますよ、という言い方を例え話としてしています。
 憲法もそうですし、刑法もそうですが、この場合は直接の被害者がいないわけですから、これは利害の調整、社会の中で生きている成員のお互いの調整としての法があると。だからお互いに対してそれが歯止めになっている部分があるという、そういう理解がいいのではないかと思います。
 一方ですね、ちょっと法の規制から外れますけど、良い漫画・悪い漫画っていう区別、あるいは良い文化・悪い文化という区別というのは、これはやっぱりグラデーションなので、それはつけられないと思います。これは自分は良くないと思う、見たくない、という権利はもちろんあります。僕自身、ジャンルとか作家さんの名前は出しませんけれど、ちょっとやめてっていうのはあるんですが、だからといってそれを出すな、書くなというのは当然言わないわけですね。他方、電車の中でエロマンガを広げるというのもこれもしません。対面に座った人が嫌な気持ちになる可能性があるからなんですけれども。だから実はゾーニングということも、広くいうとそういう利害の調整ということとしてあるのではないのかという気がします。
 だから同人誌、サークルさんとか、あるいは買ってる方、ブログなどを持っている方に対して、冷静な対応をしていただきたいのは、ひとつそういう大枠の中での話だと思うんですね。 とかく、わざと悪ぶってみせたりとか、「こんな文化はくだらないものだから知らないほうがいいですぜ」とかいうようなことを言う人っていうのは、実際コミケで「CUT A DASH!!」に並んだ時に隣の人から言われたんですけれど(笑)。友達に頼まれて並んでくれと、2時間外で寒い中並んだんですけどね、その時隣の人からいわれたんですけど、中だったら、僕はわかるからいいですよ、そりゃ、どういう文脈で出された言葉なのか。でもそれは、知らない人は本気でそういうもんだと思いますから(笑)よろしくないのではないかと思います。

藤本:先ほども話がでましたが、今、児童ポルノ法のなかで、アニメ、コミック、ゲームというのはそれこそ被害者がいないということで対象から外されています。そこを規制しようという動きは今回はあまり強くなってはいないようですけれども、前回はかなり強くありました。このことに関してはかなり本気で反対していかないといけない。そのことは強く認識しておいたほうがいいと思います。というのは、児童ポルノ法の“児童”は18歳未満で、法文をそのまま適用すると、18歳未満の人間が性的な対象になっているコミック、アニメ、ゲーム、そういう表現があるものは(規制対象に入れられるとしたら)軒並みダメ、なんですね。文脈とか関係ないんですよ。法文は文脈は問題にしていない。そういうシーンがあるだけでダメ。
 実際、この児童ポルノ法が、アニメやマンガも対象とするらしい、という情報が伝わった時、ある有名な書店さんが「ベルセルク」を引っ込めたという話が本当にあるんです。「ベルセルク」にはチャイルドアビューズ(児童虐待)に遭う場面が出ているから。こんな規制が入ってくるとすると、今回、手塚治虫文化賞の大賞を受賞した「舞姫テレプシコーラ」も、小学生が性的虐待を受けるシーンがあるので、ダメなんですよ。
 要するに、たとえそれが、悲惨な体験としてそれを訴えるために書かれているものでも、そういう場面があるだけで規制の対象になってしまうわけです。また、18歳以下はダメだから、高校生の性の問題を扱ってもダメ、ということになる。影響が非常に大きいんです。だからそういったことに対しては、反対の声を上げていかなければならない。そういう話が出てくる前に、それこそ伊藤さんが言う利害の調整というようなところで、わたしたちも自覚的になっていかなければいけないんだと思います。

三崎:今、コミックマーケットに申し込んでいるのが5万サークル弱、たぶん全国に7万とか8万とかいうサークルがあると思います。これだけの人間が紙メディアで表現をしている国っておそらくどこにもないですよ。世界的にも非常に驚きをもって受け止められている。
 国内でも、日本の国際競争力をどうやって維持していくのかという話の中で一昨年、経済産業省で内部の研究会があって、その時に米沢さんが呼ばれ、局長さんとかいる前でコミケの話を一席ぶって帰ってきたという話があるんです。日本のコンテンツであるマンガ、アニメの文化は裾野が広いから成立している。こういう場合、いいものだけを輸出するみたいな感じにどうしてもなりがちなんですけど、それは、裾野の広さがあって成立する。しかもその裾野の中には同人誌も含まれるんじゃないですかね、みたいなことをお役人さんの方から言っていて。しかも、その同人誌はやっぱり、表現は豊かに幅広く、極力規制がない形じゃないとやっぱりうまく行かない、という今のフレームワークを、充分理解されていた。その意味で、我々が持ってる良さについて、言うべきことは言っていかないと。どうしても我々は「隅っこでやってます」みたいな感じになりがちなんですけれども。
 今日もいろいろと伊藤さん、あるいは永山さんからも御意見がありましたけれども、規制をちゃんとやってることだけじゃなくて、ちゃんとモノを作ってるんだよということも発信していかなければならないんじゃないかなと思うんです。


 編集:谷本 泉 映像記録:AIDE新聞編集部


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目次
表紙
報告!!「同人誌と表現を考えるシンポジウム」
第1部 今、どうなっているのか? 〜現場からの発言〜
第2部 どうすべきなのか? 〜有識者討論〜
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