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4.そして、「アキバ系」の未来はどうなる…?
AIDE的一考察
ここまでは、再開発そのものの状況をご紹介したが、秋葉原のこのような変化を、当地の同人誌販売店では、どのように捉えているのだろうか。
K-BOOKS事務局の大塚健会長は、「秋葉原は、最近はマニアの集まる街から、ライトユーザーも飲み込む街へと変化してきました。今回の再開発で、さらに一般のお客様やファミリー層まで、拡大するのではないでしょうか。これを契機に、より一般的なお客様に利用してもらえる商品展開を目指しています。」と語る。K-BOOKSは、最近、都内の店鋪を池袋と秋葉原に集中させ、特に秋葉原では駅前のラジオ会館内に店鋪を移転、さらに増床を行なっている。「ラジオ会館への移転は、お客様のニーズによる取扱品目の増大とお客様の増加が契機です。」とのことだ。どうやら販売店側では、今回の再開発を客層拡大の好機と見ているようだ。
また「クロスフィールドには、大学の施設が数多く置かれているし、代々木アニメーション学院もここに開校します。再開発は、むしろさらに多くの若い人を、秋葉原に呼ぶことになるのではないでしょうか。」と話すのは、「とらのあな」の吉田博高社長だ。吉田氏自身、少年時代から秋葉原に通っており、「とらのあな」を創業したのも、秋葉原で何か店を始めたいと思い立ち、神保町まで足を延ばさなくても秋葉原で本が買える場所があればと考えたこと、その際同時に、同人作家の友人たちから本の委託を頼まれたのが、きっかけだったという。
そんな吉田氏は、「クロスフィールドのオフィスに勤める、一見おたくとは何の接点もないような人たちの中にも、若いころには、自分の趣味やこだわりを持っていた人たちが少なくないはずです。そんな人たちが、秋葉原の街に刺激されて、昔の趣味を思い出したり、何か新しいことを始めたりする可能性も、十分あるでしょう」とも語っている。 |
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| 中央通り前のとらのあな秋葉原1号店 |
移転・増床したK-BOOKS秋葉原店 |
ただ、今回紹介した「大きな変化」の他にも、はっきりと見えにくいが気になることがある。このごろ、特に中央通りの路面から「おたく的」なビジュアルが、公的な力で排除されつつあるのでは?という声を聞くことが多い。昨年くらいから、公道の看板などに関する都条例の改定により、路上に立て看板やのぼりなどを立てることが、厳しく取り締まられるようになった。しかし、秋葉原のおたく関係者で、これを額面通り「往来妨害」のみとして受け止めている人はいないだろう。条例を口実に、いわゆる成人向けゲームなどの画像を路面から排除しているのでは、という憂慮も無理はない。現に、いくつかの路面販売店では、路面に向けたポスターを自主的に貼り替えるところもあるようだ。治安維持を口実に、秋葉原に向かう警察や行政の目が厳しくなったのでは?という噂もある。
しかし、秋葉原の成り立ちそのものが「闇市」から始まったように、表通りの姿をいくら洗練させたところで、一歩裏通りに入れば、そこには無限の横道、そして宝物が隠されている。長い間に培われた、街の「たくましさ」は、秋葉原の地にしっかりと根を下ろし、容易に駆逐されるようなものではないはずだ。
今回の取材で秋葉原の街を歩いていると、ラジオセンターの中に、小さなレンタルショーケースの店を見つけた。40年前のアマチュア無線受信機、2インチの白黒ポータブルテレビ、30年前のBCLラジオ、初代ウォークマンetc.、ひとつひとつのBOXには、身近にあったはずなのに、いつのまに忘れていたモノたちが、大切にディスプレイされている。その時代時代の若者たちが、自分の趣味や愉しみを託していた「夢」の姿が、そこにはあった。
森川氏、また吉田氏との対話の中でも、「秋葉原は、あらゆる世代に、その人が生きてきた時代を地層のように見せる懐かしさを持った街なのではないだろうか」ということばが、異口同音に発せられた。秋葉原が時代を超えて人々を惹き付け続ける理由は、まさにここにあるのだろう。
これから秋葉原に「新しい住人」がやって来ることによって、今度はどんな「混沌」が生まれるのだろうか。そして新しい時代の「地層」はどのように積もっていくのだろうか。できるなら、それがあらゆる人々の予想を越える程にダイナミックな変化となり、秋葉原という街の豊かさを一層膨らませてくれるものであることを望みたい。■ |
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| いかにも「アキバ」らしい、中央通り西側のPC街風景 |
こちらもランドマークのひとつ?長年かわらない電気街口の駅舎 |

電気街口の南口から、ダイビルを望む。これもいつか見慣れた景色になるのか
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