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企画・運営に携わったお二人の話から−
「ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」
そして「日本館」への思い。

いろいろな人から話が聞けた今回の取材。最後に、今回の展示に向け尽力されたスタッフの方のお話で締めたいと思う。

●岡部美紀さん
日本館を主催する、国際交流基金芸術交流部の担当者。準備から展示までのさまざまな事項を取りまとめている。
 96年度ビエンナーレでの展示で、日本館では「阪神大震災」をテーマに取り上げ、倒壊した建物の廃材を使って展示をつくり、金獅子賞を獲得しました。それ以来、日本館はひとつの建物やひとりの建築家に焦点を当てる展示ではなく、社会の中で建築や都市が持つ役割をテーマにしています。
その時々に、建築や社会を動かしている原動力のうち、一番特徴的なものを取り上げます。例えば2000年の展示は「少女都市」というテーマでした。これは、少女が都市を動かす、というコンセプトで展示したのですが、今回はそれと対をなすかたちで、男性、特に「おたく」といわれる男の子たちが街を変えていく現象をコンセプトにしてみました。建築展としてもふさわしい、都市論的なテーマになったと思います。
 また、今回の金獅子賞はベルギー館なんですが、ベルギー館は日本館とコンセプトがよく似ているんです。都市の背後にある、都市そのものを動かす見えない力を取り上げた点は、ベルギー館も日本館も同じでした。ただ出てきた展示を比べてみると、ベルギー館はアフリカの都市を題材に、その貧困とスラムの変遷を取り上げた一方で、日本は爛熟した消費社会としての「おたく文化」を取り上げている。お互いにとても対照的で、興味深いですね。
金獅子賞を受賞したベルギー館
 今回の日本館では、来場者のみなさんが楽しんで観てくださっているのが印象的です。子供なんか展示の前で動かなくなってるし(笑)。そういうところがとてもいいと思います。
●森川嘉一郎さん
日本館コミッショナー、建築学者。秋葉原の変化など、趣味嗜好と都市の関係を研究しており、今回の展示企画の責任者である。

今回の展示の下敷きには、秋葉原が「おたく」の聖地になったという、都市的変化があります。これを展示する上で、結果としてできた都市風景を見せるよりも、その変化を推進させた人々に焦点を合わせようと思い、標題を「おたく」にしました。
 日本館を企画する際に考えさせられたのは、西欧が本場の、例えば建築のような芸術文化と、おたく文化のような日本製サブカルチャーとの階層性って何だろう?という問題です。今までは一般的に、建築家がつくる世界は完全に正統的かつ規範的であり、おたくの空間は反対に悪趣味で下品だという、明らかな上下関係がありました。しかし現在では「むしろ建築家の趣味も、実は非常に偏っているのではないか?」という視点に立った建築論も出てきています。ですから、世界中の建築家が集まる国際的な場に、敢えて「おたく」というテーマを掲げ、その疑問を投げかけてみることで、日本館の展示に意味を持たせたいと思いました。
 また「おたく:人格=空間=都市」というタイトルですが、最近では政府がおたく文化の産物を、輸出用のコンテンツ産業として育成する動きがあります。しかし「商品」としては後押ししつつ、「文化」として認めたくはないという、相反する動きが存在しています。おたく文化とは、まず最初にそれを生み出した場があり、その場を形成している人たちの生活や趣味がある、その土台があってこそ、上澄み中の上澄みのような諸作品が生まれるわけで、目に見えないところには、巨大な氷山の水面下のように、コミケットや秋葉原があるわけです。その上澄みと本体とは、切り離したら両方とも失われてしまいます。そこで、建築のプレゼンテーションと同時に、この場を借りておたく文化の「本体」たる場や人々の存在こそ重要なんだという主張を込めてこのタイトルを付けました。

取材を終えて… ヴェネチアに想う

 共信マン的にヴェネチアをひとことで言うと「巨大なテーマパーク」だ。ディズニーシーやハウステンボスのご本家は、ここにあったのか!という感じである。大きく違うのは、夢の世界を演出しているのではなく、作り物ではない「現実社会」がしっかりと根を下ろしていることだ。観光客の横では、ヨーロッパの大富豪が大型クルーザーで乗り付けてバカンスを過ごしている。その一方で、町中ではスリや置き引きなど、社会のくらい部分を目の当たりにすることだってある。
ディスニーランドあたりが好きな人は、いろいろな意味で、いちど訪れてみることをお勧めする。観光地といえども、ヴェネチアは複雑な歴史と人間の生活が日々積み重なって、現在の姿に出来上がっているのだから…。

ビエンナーレ国際建築展 日本館に想う

 さて、冒頭に掲げた3つの疑問。最も肝心な「おたくと国際建築展との関係」だが、現場取材を通じて、共信マンなりに見えてきた。また帰国後、森川氏の著書『趣都の誕生』や、『Model Graphics』1月号に掲載された、あさのまさひこ氏によるレポート(10Pに及ぶ力作!)などを読み、現場では分からなかった、森川氏の意図、国際建築展という場の意味など、新たに気づいたことも多い。特に森川氏がMG誌で語った、おたくのありのままの姿を表したい、おたく文化を辺境からの献上品にしたくないという、主旨のことばには、共信マンも心から共感したい。
 最後に、共信マンにとって考えることとは、動くこと、現場に行くこと、旅することなのだ。今後も旅をしながらさまざまな事象を拾い上げ、考えて行きたいと思う。ここまでお読みいただいたみなさんにも、それぞれ何かを感じてもらえれば、この旅の意味ももっと深まることだろう。


取材・編集: 共信印刷株式会社AIDE新聞編集部
編集: 田中恵美
写真協力: 穴澤利香
協力: 国際交流基金芸術交流部
コミックマーケット準備会

AIDE新聞では、本記事に対する皆さまからのご意見、ご感想をお待ちしております。是非編集部までお送りください。
http://www.kyoshin.net/ e-mail:info@kyoshin.net

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目次
表紙
特集:世界同人紀行〜おたく訪ねて三千里「イタリア特別編」
イタリア・ヴェネチアのあらまし
共信マンのヴェネチア「ずっこけ」道中記…
日本館って、どうですか?
ビエンナーレ日本館、そしておたくと建築の意外な?共通項とは…
「ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」そして「日本館」への思い。
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