| ―まず、ご自身の活動を紹介してください。 |
主な活動はBDの制作、それに日本マンガの書評に、『アニメランド』と『Bodo 』という雑誌に記事を提供しています。学生時代は、ゴブランという地域のアニメ専門学校で、アニメの絵コンテを勉強していました。
この本は2年前に出版したものです。こちらが、1ヶ月後に出る本の表紙です。あと2日で描き終える予定です。(と、イラストをファイルから取り出して見せてくれる) |
| ―マンガ家になって何年経ちますか? |
| この業界でイラストを描いたりし始めてからは7〜8年経ちますが、マンガ家としては5年です。今は、いろいろな仕事を並行してやっているので、マンガ制作に専念できない状態です。マンガだけに没頭できれば、もっと早く単行本を仕上げられるのですが…。 |
| ―カラー作品は、CGで彩色しているのですか? |
| まず手描きで白黒原稿を描き、Photoshopで彩色します。ペン入れしたものを使うこともありますが、自分は鉛筆で描いた質感が好きなので、鉛筆描きの下絵を、コントラストを上げてスキャンして使う場合もあります。数年前までは、鉛筆の原稿をそのまま使うのは難しかったのですが、今はパソコンがあるので、ある程度自由に加工できます。そのお陰で、表現の幅は広がりました。もちろん、作家によって質感の好みは違いますし、筆を使って彩色する人もいます。 |
| ―1ページ当たり、何時間くらいで彩色できますか? |
| 通常1ページ2日、複雑な絵では1週間かかることもあります。フランスでは、大抵シナリオ作家、作画、プラスもう1人の3人で一冊を制作しますが、私は全てひとりで作業しているので、人より時間がかかります。 |
| ―では、アイディアから最後の入稿まで、単行本1冊にかかる時間は? |
| この本の第1巻は3年間です。ただこれは時間をかけ過ぎました。第2巻はもっと丁寧に描き込んでありますが、1年半くらいで作りました。理想としては1年ですね。10ヶ月前後で仕上げる人もいますが、早く描くには経験が必要ですし、かかる時間はその作風にもよります。 |
| ―フランスのBD全体についてお聞きしたいのですが、BDの単行本の、一般的なページ数と価格を教えてください。 |
| 一冊大体44〜48ページ、または52〜56ページと決まっています。つまり、44〜56ページです。そのボリュームで、一つの作品が3巻くらいまで続刊されます。人気が出れば10巻以上続くこともありますし、中には、20年、30年、50年と長い人気を保つ作品もあります。価格は一冊12.5ユーロ(約1,400円)くらいで、
あとはサイズやページ数によって変わります。 |
| ―こんなにきれいな絵と装丁と印刷で1,400円ですか!?安いですねえ!(笑)。1Pあたりのコマ数が6コマ前後なんですが、これはKARAさんのポリシーなのですか? |
| 特に決まりはありませんが、フランスやベルギーのBDは、画面が大きく大体A4判くらいが標準で、通常は1ページ当たり5〜6コマです。場合によっては1ページを15コマ以上に分けることもありますが。 |
| ―フランスには、プロのBD作家といえる方は何人くらいいるんでしょう? |
| 2000年に出た雑誌の報告データを見たのですが、最低3冊以上単行本を作っている人が作家と認められ、それで約1500人でした。単行本も、毎年1500点くらい発行されます。政府の発表によると、国内の経済状態の悪化にもかかわらず、マンガ市場は対前年比30%以上の伸びがみられるそうです。政府もマンガ業界に注目しています。 |
| ―日本のマンガが入ってきたことによって、BDを取り巻く環境にも変化があったのですか? |
80年代のBDは、大きく2種類に分かれていました。ひとつは大人用の、芸術的に非常に質が高くて、子供には読めないようなもの、もう一方では『タンタン』のように、キャラクターが古臭い作品。90年代はじめに日本のマンガが入ってきた際、その中間の年代層に受けいれられたことが、日本マンガが急激に普及した理由のひとつではないかと思います。
また、BDの読者は80年代までほとんどが男性でしたが、現在はBD界でも、女性読者の確保が新しい課題になりました。日本のマンガ、特に少女マンガが入ってきたことで、マンガファン全体の読者比が男女ほぼ同じになり、BDも、今までの男性のみにウケる表現から脱皮する段階に来たのが、現在の状態だと思います。 |