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■表現することは社会とぶつかること

米沢: ただ表現とか文化に関わる人間と、法律とはまた違う部分で、作家が最近著作権の主張を始めてる。海賊版とかそういうのはもちろん問題外なんですけれども。どこまでのファン活動を許すかっていう、次の問題も出てくるんですよね。
夏目: これ、基本的に言えば、自己責任の世界だからさあ。
米沢: 個別に対応していかないと判断できないものだから、あんまり一般論にもできないし、線引きもできないっていうことを前提にはしています。ただ、どういう考え方で、どういう法律があるのかをみんなに知ってもらいたい、そういう思いで一応動いてるんですけれども。
夏目: 少なくとも、すごく簡単でいいから、著作権の概説書とかね。やっぱり目を通しておいたほうが、いざというときにはいいなと思うね。
米沢: 2回のシンポジウムをまとめて、それに著作権の、漫画に関わる部分だけを抜いたものを含めたパンフレットみたいなものを、作ろうと思ってるんです。時間はかかるけれども。今年の冬に間に合わなかったんです。
夏目: でも、同人誌は別に米沢さんが指導してやってるわけじゃないでしょ。米沢さんは場を作っているわけだから。
米沢: 場を作ってみると、いろんなものが出てくるんですが、自分が予想しえないものも出てくるんですよ。そういうものに出会える場っていうのは、コミックマーケットしかないですからね。
夏目: それを作ってきたっていうのは、おれは尊敬してるしね。対談じゃないと言わないけど(笑)。ただ、世の中では誤解するかもね。
米沢: マスコミの取り上げ方とか。毎回、コスプレだけとかエロ本だけ撮って帰る連中もいますからね。その日1日トイレの前に立ってるかもしれないし、ある列に並んで1日終わっちゃう人もいるし(笑)、付き添いに座ってる人もいるし。そういう意味では、多様性があるっていうことを紹介して欲しい。常に言っているんだけれども、記事になると違っちゃいますよね。同人誌は1万部売れる、なんていう話になるわけでしょう。
夏目: 同人誌でマンション買ったとかね、税金払わない云々とか、報道されてるんですよね。
米沢: 同人誌なんて300円から1000円なんですよね。2000部売るところ自体も何百もないんですよ。(税金問題の時も)いっぱいサークルにお訊ねが来て、結局払うかたちになったのはほんのちょっとです。でも、どれだけ言ってもなかなか世間には分かってもらえないんですよ。
夏目: 集まってる人の数見れば、びっくりしますわ。これが、宗教でもなくファシズムでもなく成り立ってるっていうことのすごさっていうのはある。
米沢: 基本はクロポトキンの自主独立、相互補助のアナーキズムね。自分のことは自分でやるけど、困ったら助けてやるっていう(笑)。自由にものが言えて書けないと、しょうがないから。
夏目: でも基本的には自己責任で、作る人たちが考えたり、勉強したりせざるを得ない。これは原則ですよね。
米沢: ものを書く者には原則ですよね。
夏目: それがね、大体物書きってのはさ、世間でうまくやっていけないから物書きになる、そういう問題があるから(笑)。僕だってそうだ。大体自由業なんてみんなそうだよ。でも僕みたいに自由業で、世の中でやっていってるから、しょうがないから覚えるっていうことであってね。同人誌の場合、これでメシ食ってるわけじゃないから、その辺甘いといえば甘いよね。
米沢: 自分を守るってことを知らないってのが、一番強いかもしれないですね、みんなこれだけやってるからいいや、っていう考えで、どこまでもやっちゃう。それでいいんだけれども、表現には責任が伴う、人に対して言ったら返ってくることを考えなくちゃいけない、ある人間を揶揄したらその人から何か言われることもあるっていうのは、分かって欲しいと思います。
夏目: さっきも言ったように、愛があるから許されるって問題じゃないってことは、言っといたほうがいいと思うよ。
A: そういえば、ある読者の方からお手紙をいただいたんですが、著作権と同人誌をめぐる問題をきっかけにして、出版元に許可をとって同人誌を作っていこう、という活動をしているそうなんです。こういった新しい動きはどう思われますか?
米沢: ファン活動とか評論活動とか、ある意味でのパロディっていうのも、著作者にOKを取ってやるものではないと、基本的には思います。評論っていうのは、本人に会って話した瞬間に書けなくなってしまうので(笑)。著作権を買った、っていうサークルもあるけどね。
夏目: 僕は、全員がそうする必要はないと思う。でも、そういう人がいてもいいと思う。それは、多分、一つのプロセスとしては、僕はむしろいい動きだと思う。そういうひとが居てもいいし、全員にやれというのではなくて、そういう人がでてくることによって、そこからそういう問題意識が生まれるわけでしょう。それはどういうことか、ってまた転がっていくわけだから、僕は彼らは彼らでいい動きだな、と思います。
米沢: でも、ファン活動が認可を受けてる受けてないとか、お墨付き本とパチモンに分かれて行くことになる可能性もある。
夏目: なるほど。
米沢: ただ、ファン活動は個人の中から生まれてくるもので、この作家好きだから、これについて考えたい、描きたい、っていうファン活動なわけでしょう、そこで作家がOKしてようがしてまいが、やっぱりファン活動とは別なんだよね。同人誌っていうのは、どっちかというとファン創作っていう面があるから、アニパロは、ファンとして何か描きたい、語りたい、っていうのがあるから、絵にしちゃうっていう部分がある。ファン的な体質が強い人たちが、同人誌に関わっていると思う。OKを取りたいっていうのは分かるんだけれど、作家に会っちゃうと、作家を知った途端にできなくなる活動とか表現もあるっていうのは、知っといたほうがいいですね。特にいい人間の場合は、本人に会っちゃうと悪く書けない(笑)。
A: 最後に、今回のお話のまとめとして、読者のみなさんにメッセージをお願いいたします。
米沢: 同人誌やパロディが当たり前になってる世界に住んでると、こういうのは何やってもいいと思うかもしれないけれども、表現するとか、そういう活動をするっていうことは、どこかに社会や他人と抵触していく部分もあるから、表現っていうのは自分の責任でやってほしい。ただあんまりおびえて貰っちゃ困る。法律や作 家や出版社の意向におびえると描けなくなっちゃうから、そこは自分の中で考えて、なぜ描きたいのかってことを、考えていって欲しい。描きたいんだったら、これはこうだから出すんだ、もし何か言われてもいいんだ、っていう自負を持って欲しいんです。自覚が欲しいなと。あと、表現すると、必ず何かとぶつかっていく。本当に全てから祝福される表現なんてありえない。だからそんなものは放っておきなさいと、私としてはそう言いたい。
夏目: 繰り返しになるんですけど、同人誌といえども、床屋でよた話してるのとは違うっていうのがひとつ。だから、それなりの責任も義務も生じます。確信犯で、おれは捕まってもいい、っていうのならいいけど、捕まりたくない、嫌な目に遭いたくないんだったら、それなりの知識は必要ですよと。それからこれもくりかえしですが、愛してるから許されると思うのは、それはストーカーだから止めなさいっていう(笑)。そんなところですね。

(11月14日、渋谷にて)

AIDE新聞では、今後も引き続きこの問題に関するみなさんのご意見を募集しています。今回の対談の感想と合わせて、是非編集部までご意見をお寄せください。

Eメール info@kyoshin.net


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目次
表紙
ごあいさつ
バーチャルアイドルNaNa
著作権問題を考える-4
対談 夏目房之介・米沢嘉博
新装開店!B−Maniacs訪問記
Dr.モロー氏の4コマ漫画
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