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■「ファンだから」じゃ法律は許してくれない

米沢: で、パロディはこちらで言ってるもじり、あるいはギャグみたいな部分でこれまでの頭の中にあるパロディと違うかもしれない。言葉はパロディということになってるけれども、一点一点検証していかないと、どれがどういうものなのか判断できないものがいっぱい出始めてると思うんですよ。ただこれは、コミケット自体のフェンスの低さ、表現を底辺まで広げて行く、誰でも入ってこれる、非常に入りやすいわけです。模写とかパロディから入っていって、次の段階に進んで行くって部分がないと、次の文化は育たないと思っているので。そうすると中学生は、やっぱり好きな漫画描いちゃうんです。石森まがいとか手塚まがいをいっぱい描いた覚えのある人間としては、やっぱりそう思っちゃうんですよ。
夏目: 例えば、コミケで『ドラえもん』のパロディ本を見たことあるんだけど、あれはパロディで通ると思う。もともと『ドラえもん』にあったものを、作者がオリジナルな思想として表現してるんですよ。明らかに。じゃあ、やおいはどうかっていう、これが問題なんだよ。
米沢: コミケで『キャプ翼』が大ブレイクしたんだけど、あれはパロディという概念を根本的にくつがえすものじゃないかと思うんです。完全に絵を変えてしまって、模写とはいえない。設定も完全に違う。高橋陽一の絵を使ったパロディは1%もなかったです。
夏目: その辺の判断は難しいとは思うんですが、僕の個人的な判断で言えば、少なくとも、これらはもはやパロディという概念ではないです。で、ここに出てくる問題は、僕らの世代もそうだったように、みんな自分の愛する漫画を模写して漫画家になったり、それを共有してきたんですよ。その延長線上にあることは間違いない。それがどうして問題にならなかったかと言ったら、僕らが模写したものが商品にならなかったからなんだよね(笑)。
米沢: そうなんですよね。ただ同人誌は、未だに100部から300部が大多数ですよ。まあ、マスコミの取り上げ方で何千売れるとか、儲かってるから許せない、みたいな考え方もあるけど、5千とか1万とか売れる同人誌がいくつあるかというと、3つか4つとかしかない、そうすると表現について個別の判断になる。さっき言ったように、日野日出志の絵で『キャプ翼』のストーリーをやるという組み合わせそのものに、オリジナリティがあるわけです。絵は日野日出志の著作権に触れるし、ストーリーは『キャプ翼』のそれに触れちゃうけど。でも、そういう表現はファンとしては面白いから読んでみたいんですよね(笑)。読者の立場から言えば、何でもあって欲しいっていうのがあるわけですよ。
夏目: 法律だとか何とか関係なく、人間が人間としてそのまま生きてる状態なら、表現は自由でしかありえないから、放っておけばどんどん多様になるし、何でもやっちゃうんだよね。基本的にはその方が面白いんだけど。
米沢: 次にどう進んでいくかって言うのは、個人個人の中の表現者としての自覚の問題だ、というスタンスでやっていきたいんですけれども、そこが難しいんでしょうね。
夏目: そこを前面で主張するためには、社会にちゃんとそういう自浄能力があるのか、ていうことなんだよね。
米沢: それは表現者に対してもですよね。
夏目: もう一つの判断の問題は、似ても似つかない絵とかを、そうだって言ってるもの(笑)。
米沢: そうなんです。どこがパロディかっていっても、本人の意識の中ではパロディなんです。
夏目: パロディなのかなあ。本人たちもパロディと思って描いてるの?
米沢: 本人はパロディだと思って描いてるんだけれども、
夏目: あ、そうなの?
米沢: そうなんです。基本的に愛情で描いてるんです。
夏目: いや、愛情はわかるよ。
米沢: でも「これは私にとってはこういう物語なんです」と。批評行為だっていうのはそういうことなんですよ。「私はこういうふうに読んだ」っていうのを、絵が描ける人は描いちゃう。普通だと、映画見たりした後に、その中の一部分をギャグにしたりして、喫茶店で会話しますよね。それを絵に出来る人は絵にしちゃう。つまり喫茶店の会話が、こういうかたちでばらまかれるようになったがゆえに、起きた問題だとは思うんですよ。ネットでの問題もそうなんですけどね。
夏目: 僕がすごく危険を感じるのは、喫茶店で話してるからいいじゃないか、っていうのは構わないんです。喫茶店で何話しても、あいつ気にくわないから殺してやりたいって言ったって、それは罪にならない。でも、それをある程度不特定多数の人が見られる場所に持っていったら、それは問題だ、っていうことなんだよね。これは一番、基本中の基本、常識ですよ。ところが、その辺の敷居がどうもはっきりしないんですよね。
米沢: もともとはっきりしないんですよね。公とか考えない私的表現だから。だけど茶飲み話の冗談を、うまい冗談を思いついたから教えてあげたい、と思ったとき、文章とか絵で表現できる人は、やっちゃうんですよ。
夏目: さっき僕が、自分が最初にパロディをやったときに、対象に対する風刺じゃなくって、愛情だっていったでしょう。好きだから、愛情だからっていうのは、気持ちはわかるけれども、しかし、問題は、だからって法律は許してくれないんです。
米沢: それは何のアリバイにもならない、説明にもならない。逆に悪意があったほうが許して貰えるよ、って言ってるんです。
夏目: 悪意があったほうが、まだね(笑)。どういうことかっていうとね、例えばここに、CLAMPさんが大好きな人がいて、勝手にCLAMPさんの作品で、とんでもないもの作って、これは私の愛情です、って言う。これはつまり、会ったことも話したこともない人に横恋慕して、その人のことを描いて、発表しちゃったっていうことなんです。そうすると、その人は迷惑なんだよ。ストーカーだから。でもそれを考えないで「僕は愛してるんだからいいじゃないか」って、そうはいかない、という話なんですよ。
米沢: ファンレターだったら、本人に送れば済むことなんだけど、そのファンレターが高じていろんなものを引用すると、評論になり得るんですよ。
夏目: 例えば、タレントの誰それが好きだっていって、多分この子はこういう身体してるだろうって言って、CGで身体作って、顔乗せて、これが僕の愛情ですって言ってるようなもので、公表して訴えられたら、それは罪になるわけですもん。
米沢: 罪っていうか…裁判で負ければね。
夏目: 親告罪ですから…
米沢: 出てきたものの形によりますけれどもね。ただ漫画とかで描いた場合、名誉棄損にもなり得るでしょう。今の話はアイコラ、コラージュだけれども、絵を描ける人はそれで絵を描いちゃうんですよね。
夏目: 訴えられたら罪になるっていうのは、最低限やっぱり社会人の自覚としては、持たないとやばいんですよね。
米沢: 人に対してものを言う場合は、責任をとらなくちゃいけないのと同じような意味合いで、作品に対してもそれがあり得るってことですね。企業などでは、ファン活動とか好きな気持ちを表すパロディはOK、でもエロはだめとか、いろんなことを言ってるわけですよ。企業側の論理で、商品のイメージをダウンさせるものはダメ。
夏目: それは企業だから、そう言うわな。
米沢: 著作人格権を持てるのは実は個人だけなんです、法律上は企業は持てない筈なんですよ。ゲームの場合は共同開発者だから、絵だけだとデザイナー、ストーリーだとストーリー書いた人、みたいなかたちで分かれていく。不当競争とかの方向しか(訴訟は)ありえないんじゃないかという気はしますよね。
夏目: たださっきも言ったように、日本人は法律恐怖症だから、作家さんも会社にまかせちゃうんだ。
米沢: そうですね、委託を受けました、という形で。
夏目: 任された方も、ちゃんとした法律の知識がないと、全部自分が持ってるみたいな錯覚を持つんだよね。
米沢: 今、同人誌でパロディって言ってるものを、一点一点検証していって、同じケースが一つもないとなると、線引きもなんにもできない。『踊る大捜査線』のパロディあるじゃないですか。あれは別にストーリー使ってるわけでもないし、絵のパロディでもないわけですよ、人間を模写したものだから。どこの部分が触れるのか、っていう話になりますよね。
夏目: タイトル(笑)。
米沢: タイトルも違うから、ジャンル名。それとキャラクターの名前。だから、尾崎南なんかが描いていた『キャプ翼』のパロディなんかは、絵が違うし名前も違うし、単にサッカーやってる少年、というのも既に出てこない。でも、ああいう作家が『キャプ翼』のパロディから出てきたっていうのは、やっぱり重要なことです。パロディからしか出てきえなかった部分があるわけですね。

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ごあいさつ
バーチャルアイドルNaNa
著作権問題を考える-4
対談 夏目房之介・米沢嘉博
新装開店!B−Maniacs訪問記
Dr.モロー氏の4コマ漫画
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