K: |
何やってんの? |
N: |
いや〜。今、「AIDE新聞」の編集会議をしているんだけど、予定してたものが間に合わなくて、その代わりのものがなかなかいいのが出てこないんだよ。 |
K: |
(机の上にある今までの「AIDE新聞」を見ながら)ふーん。『版権問題4』はどうなったの? |
N: |
この頃思うんだけど、「AIDE新聞」で『版権問題』を取り上げる意味があるんだろうか?ってね。 |
一同: |
ここまでやってきて、そんな……。 |
N: |
題材としてはもちろん意味もあったし、いい企画だったと思うけど、やればやるほど印刷屋としての立場からと、コミケファンとしての個人の意見と、それからサークルの立場と、いろいろなものの矛盾が生じてきちゃうんだよね。「AIDE新聞」の最初は、2〜3号でやめるつもりで始めたのが、やってみると、これが結構反応が良くて、お客さんを喜ばせようと続けてしまったんだよね。 |
K: |
(13号を手に取り)あれ?この号の特集記事がないじゃない。これ『次号予告』が特集記事になっているよ。 |
T: |
それも1ページだけしかないし……。 |
一同: |
(笑) |
N: |
そうそう、思い出した。その号ぐらいから記事を正確に、まじめに書こうと思い始めたんだよ。でもその号では時間的にも現実的にも実現できなくて、みなさんからの原稿も出さなくちゃいけないし、とりあえずそんな形で出しちゃったんだよね。 |
K: |
ところで、そもそもの「AIDE新聞」の理念ってあるの? |
N: |
あるよ。ひとつは「面白い記事より正確な記事」。事実を面白おかしく脚色しないってことかな。特に人の言ったことは、例え違うなと思ってもこちらで直さず、そのまま載せることを基本にしていたね。それと「流れに逆らって無理はしない」ってこと。いくら無理してがんばっても、ダメな時ってあるんだよね。それと売り物じゃないし、「楽しくやらせてもらう」ってことかな。その楽しさが読者に伝わるんだ。 |
K: |
ふーん。けっこう考えてやってたんだ。 |
N: |
まぁね…。それがこのごろ重荷になってきていて、最初の頃の「楽しい」って気持ちがなくなってきたんだよ。みんなに喜んでもらおうとやっているうちにどんどんプロの仕事みたいになってきちゃって、いい加減なことができなくなってきてしまったしね。それにある程度のこともできたし、時代の変化とともに「AIDE新聞」も昔から考えていた映像の方へ進化していこうかなと思っているんだ。2000年だしね。 |
K: |
クヨクヨ考えたって、いいアイデアなんか出てこないよ。こんなところで無理せず、いい加減の湯にでも浸かって考えたら?いいアイデアが出てくるんじゃない? 楽しいよ! 今凝っているしね。 |
一同: |
……(絶句)。 |
N: |
ああ、そうだね。じゃあ、原点に戻っていい加減の湯に浸かっての『いい加減のススメ』っていうのもいいかもね。楽しそうだし、肩も凝らないし。 |
T: |
むしろ、肩凝りもほぐれそうです(笑)。 |
S: |
それなら『ビックサイトから行ける銭湯・温泉』という特集はどうでしょうか? 東京駅の中に銭湯があるらしいですよ。 |
N: |
それもいいけど、「うちに入稿した後は、この辺の銭湯に行こう」ってことにしたいな。 |
K: |
(引き出しから何やらアヤシゲな鞄を取り出して)銭湯セットがいつも準備されているからね。そうと決まったら、早速いい加減の銭湯を探しに出かけよう。あ、車で探しに行くなら、ついでに中央郵便局に寄ってくれない? 今日最後の仕事の郵送物があるからね。さあ、早く早く! |