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「アンダーグラウンド漫画フェスティバル」
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| Q: | シン・イルソップさんご自身はこれまでどのようにアンダーグラウンド漫画の活動に携わって来たのですか? |
| シ: |
僕自身がアンダーグラウンド漫画界での活動を始めたのは10年も前のことです。90年代初め、今の「ウリ漫画発展のための連帯モイム」[*1]の前身である「正しい 漫画研究会」という団体で「漫画創作」というムック誌が発行されており、僕も短編作品で参加したりしていました。その後「漫画実験 春」というムック誌の出版に参加して、2号まで発行したんですが,商業ベースにのらないとして廃刊させられてしまいました。それで僕が直接「春」をバージョンアップさせた「ヒステリー」という雑誌を出版したんです。しかし「ヒステリー」が検閲によって一旦休刊、結局青少年が講読できる基準に合わせた雑誌[*2] として再創刊されることになりました。それで、ヒステリーに代わるアンダーグラウンド的な性格の強い、もっと自由な表現を目指す「BANANA」という雑誌もこの春に創刊しました。 *1:「漫画よ動くな!」の主催団体。詳しくは氏インタビューを参照。 |
| Q: | 展覧会に参加したグループは、どのような活動をしている方たちなのですか?、また参加者はどうやって集めたのですか? |
| シ: | 僕は個人的に、内輪だけでの限定的な活動だけでは漫画文化の発展はないと考えています。漫画以外の分野… 例えば美術分野の場合は、私がこれまでアンダーグラウンドで手掛けて来たアート関係の冊子や展覧会を通じて知り合ったアーチスト達に声を掛けたのと、またアー ティストの中でも特に漫画的な感性が見られる人がいれば直接コンタクトしたりして、参加者を募りました。バンド公演やパフォーマンスでの参加者は、個人的に10余年前から交流のあった人たちです。いろいろなジャンル間の交流を通じた展示でなければ完成度の高い展覧会にはならないし、漫画自体を発展させるためにも、他の芸術分野との交流こそがその基礎固めになると考えてきましたから。 |
| Q: | 現在のアンダーグラウンド作家たちの創作活動は、どんなものから影響を受けているのですか? |
| シ: |
影響を受けることが出来ないんです。韓国ではまだ検閲があるため、外国の文化が自由に入って来られない状況なんです[*3]。問題あるとされる部分は部分部分カットされ、原形を留めないこともあります[*4]。特に海外のアンダーグラウンド的な芸術は検閲の対象になりやすい。そういう環境ですから、大概は僕たちのオリジナル、自生的な表現であると見ていただければ結構です。しかし海外の動向を知ることが出来ないのが、僕たちの最大のジレンマでもあります。あえて言うなら、僕達の前衛的、実験的な行為すべては、80年前のダダイスト[*5]たちが行っていたものに例えられると思います。もちろん、それは時代錯誤かもしれない、という感覚も持ってはいますが。しかし僕たちは、何かの後に従って行こうというつもりはありません。僕らの行為を一つの文化活動とすると、それ自体が韓国社会においては進歩的であり、それゆえ多くの規制を受けている状況です。今は、この検閲、規制に溢れた状態を克服するよう努力するのが大きな課題です。それがフェスティバルのテーマのひとつだと考えています。 *3:映画でいうと「ロッキーホラーショー」は、今年やっと上映が解禁された。 |
| Q: | 展示作品を観てですが、日本のいわゆるインディカルチャーのビジュアル表現と比べたとき、それよりさらに過激に感じられるものも多数見受けられます。このように表現が過激になる原因はどこにあるのでしょう? |
| シ: |
いい質問ですね。それは、今まで漫画は誌面を通じて見るもの、つまり出版物ですが、出版物の形態を取る表現には多くの規制が掛けられます。まず雑誌の編集サイドでの検閲、つまり自主規制があり、その次に本が発売される前に「青少年保護法」という検閲のフィルター[*6]があるので、二重の検閲があるわけです。ですので商業コードに合わない別のカラーをもつ作家達は、表現活動したくてもその場がないのです。僕らはこの展覧会で美術館を会場として行っていますが、美術館という空間は、芸術という大義名分のもと、この大韓民国のあらゆる場所のなかで一番、表現の自由が保証された空間です。こうした形のフェスティバルも、会場が美術館だから可能になったと言えます。検閲なく自由に表現できる貴重な機会ですから、過激な表現が吹き出してしまうのは自然なことだと思います。日本のよう に、自由な表現が今後引き続き保証されていけば、こうした過激さもある程度落ち着いてくるはずです。時間が経てば、作家自身が自らの中に判断基準を持てるようになるでしょう。作家自身が表現のあり方について主体的に考える力を育てるためにも、僕ら主催者サイドが最初から表現を規制するのは良くないと思っています。 *6:出版物の発行にあたっては、「出版物倫理委員会」による事前審議が義務づけられている。 |
| Q: | 今後、アンダーグラウンド漫画の活動をどのように進めていく予定ですか? |
| シ: | 僕らは、今進行中のフェスティバルを「準備運動展」と言っています。というのも、このフェスティバルは、2001年に、すべての芸術分野が参加する総合的なフェスティバルに発展させる計画だからです。しかし最初の1回目からこんな大掛かりなプロジェクトは難しすぎる ので、これから美術館で3回の準備展を行い、そこでの試行錯誤を2001年の計画に生かして行きたいです。また来年からは、アンダーグラウンド漫画の活動を海外にも知ってもらうため、少しずつ国際交流的な動きも進めていこうと思っています。 |
| AIDE (以下A): |
このイベントについて素朴な質問があるんですけど、いいですか? |
| 原 (以下H): |
いいですよ。 |
| A: | このアンダーグラウンド展に行って見て、マンガ展とは違うんじゃないかと思ったんですけど…? |
| H: | たぶんそれは、マンガというものに対する日本と韓国の捉え方の違いじゃないですか。韓国ってある意味で、日本以上に物事を年代や性別、ジャンルで分けたりという、既存の枠がまだまだ人の意識の中に強いところがあって、逆に今それをもっと壊して、意識的に異質な物をぶつけて新しい価値観を作っていこうという動きが非常に目立っている時期なんです。敢えて違った物をぶつけていくことがいろんな文化活動の中で目立っている時期なんです。 |
| A: | じゃあ、私たちは「これはマンガ展じゃない?」と思ってしまうんですが、韓国の人達にはそうじゃないんだ。 |
| H: | 本人達はマンガだと思ってやっていて、こういう試み自体がマンガの可能性を広げると思ってやっていると思いますよ。 |
| A: | もしかしたら、この様なことが韓国の新しい形を作っていくのかもしれませんね。そんな予感がしないでもないです。 |
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| 目次 |
| 表紙 |
| 行ってみるシリーズ第12弾 韓国2 |
| ガンダムFCキム・ヨンファン君に聞く |
| 「コミックトピア」代表「パク・ウンシル」さんに聞く |
| 「ウ漫連」事務局長「イ・サンホン」さんに聞く |
| 韓国で今年行われたイベント2つを紹介 |
| 「アンダーグラウンド漫画フェスティバル」事務局長「シン・イルソップ」さんに聞く |
| 企画コーナー紹介 |
| 「児童ポルノ法案」は今、どうなっているのか? |
| おたよりコーナー |
| 冬コミ企画コーナーレポート |
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