共信印刷WEBサイト
AIDE新聞
→ ホームAIDE新聞第38号(発行:1998.12.281 Web版:1999.1.24) <<Back <!>Reload
各号へ
コミケ90
アフターレポ
2016夏
コミケ90
カタログ
掲載版
コミケ89
アフターレポ
2015冬
コミケ89
カタログ
掲載版
コミケ88
アフターレポ
2015夏
コミケ88
カタログ
掲載版
コミケ87
アフターレポ
2014冬
コミケ87
カタログ
掲載版
コミケ86
アフターレポ
コミケ85
アフターレポ
2013冬
コミケ85
カタログ
掲載版
コミケ84
アフターレポ
2012冬
コミケ83
カタログ
掲載版
コミケ83
アフターレポ
コミケ82
アフターレポ
2012夏
コミケ82
カタログ
掲載版
コミケ81
アフターレポ
コミケ80
アフターレポ
2011夏
コミケ80
カタログ
掲載版
コミケ79
アフターレポ
コミケ79
カタログ
出張版
コミケ78
アフターレポ
コミケ78
カタログ
出張版
コミケ77
アフターレポ
コミケ77
カタログ
出張版
コミケ76
カタログ
出張版
コミケ75
カタログ
出張版
コミケ74
カタログ
出張版
コミケ73
カタログ
出張版
コミケ72
カタログ
出張版
コミケ71
アフターレポ
コミケ71
カタログ
出張版
コミケ70
アフターレポ
コミケ70
カタログ
出張版
コミケ69
アフターレポ
コミケ69
カタログ
出張版
コミケ68
カタログ
出張版
イベント
レポート
エピタニメ
コミケ67
アフターレポ
コミケ67
カタログ
出張版
コミケ66
アフターレポ
コミケ66
カタログ
出張版
2004 春号
アンヌの
コミケ参加
体験記
コミケ65
アフターレポ
コミケ
カタログ65
出張版
コミケ64
アフターレポ
コミケ64
カタログ
出張版
AIDE Magazine
2003 Spring
AIDE Magazine
2002 Summer
コミケ61
カタログ
出張版
第44号
第43号
第42号
コミケ57
カタログ
出張版
第41号
第40号
第39号
第38号
第37号
第36号
第35号
第34号

「アンダーグラウンド漫画フェスティバル」
事務局長「シン・イルソップ」さんに聞く

他の芸術分野との交流こそが
漫画発展の基礎固めになる

sin.jpg (7953 バイト)
▲シン・イルソップさん。
今回の国際交流−ペンパル募集コーナーにも
いち早く応募してくれた。

漫画をはじめ、アンダーグラウンドロック、パフォーマンス、映像といったメディアによって、韓国カウンターカルチャーの世界が紹介された異色の展覧会「アンダーグラウンド漫画フェスティバル」。自身も漫画をはじめ現代美術、音楽活動とマルチに活躍中の事務局長シン・イルソップ氏に、韓国のアンダーグラウンド漫画界の現状と彼らが直面してきた「表現の自由と規制」の問題について語ったもらった。

Q: シン・イルソップさんご自身はこれまでどのようにアンダーグラウンド漫画の活動に携わって来たのですか?
シ:

僕自身がアンダーグラウンド漫画界での活動を始めたのは10年も前のことです。90年代初め、今の「ウリ漫画発展のための連帯モイム」[*1]の前身である「正しい 漫画研究会」という団体で「漫画創作」というムック誌が発行されており、僕も短編作品で参加したりしていました。その後「漫画実験 春」というムック誌の出版に参加して、2号まで発行したんですが,商業ベースにのらないとして廃刊させられてしまいました。それで僕が直接「春」をバージョンアップさせた「ヒステリー」という雑誌を出版したんです。しかし「ヒステリー」が検閲によって一旦休刊、結局青少年が講読できる基準に合わせた雑誌[*2] として再創刊されることになりました。それで、ヒステリーに代わるアンダーグラウンド的な性格の強い、もっと自由な表現を目指す「BANANA」という雑誌もこの春に創刊しました。

*1:「漫画よ動くな!」の主催団体。詳しくは氏インタビューを参照。
*2:韓国では、日本の青年誌に相当する雑誌は、男性誌女性誌を問わず18歳未満購読禁止の指定を受けている。18歳以下も読める雑誌にするためには、さらに厳しい表現規制をパスできる内容にしなくてはならない。  

Q: 展覧会に参加したグループは、どのような活動をしている方たちなのですか?、また参加者はどうやって集めたのですか?
シ: 僕は個人的に、内輪だけでの限定的な活動だけでは漫画文化の発展はないと考えています。漫画以外の分野… 例えば美術分野の場合は、私がこれまでアンダーグラウンドで手掛けて来たアート関係の冊子や展覧会を通じて知り合ったアーチスト達に声を掛けたのと、またアー  ティストの中でも特に漫画的な感性が見られる人がいれば直接コンタクトしたりして、参加者を募りました。バンド公演やパフォーマンスでの参加者は、個人的に10余年前から交流のあった人たちです。いろいろなジャンル間の交流を通じた展示でなければ完成度の高い展覧会にはならないし、漫画自体を発展させるためにも、他の芸術分野との交流こそがその基礎固めになると考えてきましたから。
Q: 現在のアンダーグラウンド作家たちの創作活動は、どんなものから影響を受けているのですか?
シ:

影響を受けることが出来ないんです。韓国ではまだ検閲があるため、外国の文化が自由に入って来られない状況なんです[*3]。問題あるとされる部分は部分部分カットされ、原形を留めないこともあります[*4]。特に海外のアンダーグラウンド的な芸術は検閲の対象になりやすい。そういう環境ですから、大概は僕たちのオリジナル、自生的な表現であると見ていただければ結構です。しかし海外の動向を知ることが出来ないのが、僕たちの最大のジレンマでもあります。あえて言うなら、僕達の前衛的、実験的な行為すべては、80年前のダダイスト[*5]たちが行っていたものに例えられると思います。もちろん、それは時代錯誤かもしれない、という感覚も持ってはいますが。しかし僕たちは、何かの後に従って行こうというつもりはありません。僕らの行為を一つの文化活動とすると、それ自体が韓国社会においては進歩的であり、それゆえ多くの規制を受けている状況です。今は、この検閲、規制に溢れた状態を克服するよう努力するのが大きな課題です。それがフェスティバルのテーマのひとつだと考えています。

*3:映画でいうと「ロッキーホラーショー」は、今年やっと上映が解禁された。
*4:一例として「絶対無敵ライジンオー」が韓国で放映された際、ライジンオーの頭部のデザインが日本の武士を直接的に連想させるとして、ライジンオーの登場するシーンだけ差し換えられたことがある。
*5:1910年代の第一次世界大戦中、ヨーロッパで「ダダ」と称する芸術運動が起こった。「ダダイスト」は、「ダダ」的な思想=「ダダイズム」に賛同した人の総称。それまでのアカデミックな芸術の考え方を否定して新しい価値観を生み出そうとする動きであったため「反芸術運動」と表現されることが多い。現在の「パフォーマンス」のような表現もこの頃から見られはじめた。  

Q: 展示作品を観てですが、日本のいわゆるインディカルチャーのビジュアル表現と比べたとき、それよりさらに過激に感じられるものも多数見受けられます。このように表現が過激になる原因はどこにあるのでしょう?
シ:

いい質問ですね。それは、今まで漫画は誌面を通じて見るもの、つまり出版物ですが、出版物の形態を取る表現には多くの規制が掛けられます。まず雑誌の編集サイドでの検閲、つまり自主規制があり、その次に本が発売される前に「青少年保護法」という検閲のフィルター[*6]があるので、二重の検閲があるわけです。ですので商業コードに合わない別のカラーをもつ作家達は、表現活動したくてもその場がないのです。僕らはこの展覧会で美術館を会場として行っていますが、美術館という空間は、芸術という大義名分のもと、この大韓民国のあらゆる場所のなかで一番、表現の自由が保証された空間です。こうした形のフェスティバルも、会場が美術館だから可能になったと言えます。検閲なく自由に表現できる貴重な機会ですから、過激な表現が吹き出してしまうのは自然なことだと思います。日本のよう に、自由な表現が今後引き続き保証されていけば、こうした過激さもある程度落ち着いてくるはずです。時間が経てば、作家自身が自らの中に判断基準を持てるようになるでしょう。作家自身が表現のあり方について主体的に考える力を育てるためにも、僕ら主催者サイドが最初から表現を規制するのは良くないと思っています。

*6:出版物の発行にあたっては、「出版物倫理委員会」による事前審議が義務づけられている。  

Q: 今後、アンダーグラウンド漫画の活動をどのように進めていく予定ですか?
シ: 僕らは、今進行中のフェスティバルを「準備運動展」と言っています。というのも、このフェスティバルは、2001年に、すべての芸術分野が参加する総合的なフェスティバルに発展させる計画だからです。しかし最初の1回目からこんな大掛かりなプロジェクトは難しすぎる ので、これから美術館で3回の準備展を行い、そこでの試行錯誤を2001年の計画に生かして行きたいです。また来年からは、アンダーグラウンド漫画の活動を海外にも知ってもらうため、少しずつ国際交流的な動きも進めていこうと思っています。

AIDE
(以下A):

このイベントについて素朴な質問があるんですけど、いいですか?

(以下H):

いいですよ。
A: このアンダーグラウンド展に行って見て、マンガ展とは違うんじゃないかと思ったんですけど…?
H: たぶんそれは、マンガというものに対する日本と韓国の捉え方の違いじゃないですか。韓国ってある意味で、日本以上に物事を年代や性別、ジャンルで分けたりという、既存の枠がまだまだ人の意識の中に強いところがあって、逆に今それをもっと壊して、意識的に異質な物をぶつけて新しい価値観を作っていこうという動きが非常に目立っている時期なんです。敢えて違った物をぶつけていくことがいろんな文化活動の中で目立っている時期なんです。
A: じゃあ、私たちは「これはマンガ展じゃない?」と思ってしまうんですが、韓国の人達にはそうじゃないんだ。
H: 本人達はマンガだと思ってやっていて、こういう試み自体がマンガの可能性を広げると思ってやっていると思いますよ。
A: もしかしたら、この様なことが韓国の新しい形を作っていくのかもしれませんね。そんな予感がしないでもないです。

11

次ページへ(→)

目次
表紙
行ってみるシリーズ第12弾
韓国2
ガンダムFCキム・ヨンファン君に聞く
「コミックトピア」代表「パク・ウンシル」さんに聞く
「ウ漫連」事務局長「イ・サンホン」さんに聞く
韓国で今年行われたイベント2つを紹介
「アンダーグラウンド漫画フェスティバル」事務局長「シン・イルソップ」さんに聞く
企画コーナー紹介
「児童ポルノ法案」は今、どうなっているのか?
おたよりコーナー
冬コミ企画コーナーレポート
 <<Back  ★Home  ↑Up  <!>Reload  □Mail
©1997-2011 KYOSHIN PRINTING CO.,LTD