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児童ポルノ法案を考える

政治と同人活動/表現の自由

「児童買春・児童ポルノ法案」とは何だ?
もう同人は政治に無関心ではいられない

 いわゆる「児童ポルノ法案」と言うものが同人界を騒がせていると言う。6月10日、シンポに参加し、「 この法案と同人とが無関係ではいられない」ということ、「政治や法律のことについても身近な問題として 考えなければいけない時代に入った」という思いから、「AIDE新聞」なりに取り上げてみました。でき るだけわかりやすくという考えから「マンガ防衛同盟」の西形さんやコミケット代表の米沢さんに聞く形で対談を行なってみました。

A: 6月10日に行われたシンポジウムが第一回目のシンポジウムだったんですか?
西: いえ、その前に5月20日下北沢で「米沢」さんに司会していただいて、「宮台真司」さんと「藤井誠二」さん、あと都議会議員をなさっていた「石塚さとし」さんの御三方にお願いしてこの法案に関する 集会を催したのが最初なんですよ。その時は「マンガ防衛同盟」と「松代」さんの加わっていた「メンズリブ東京」の共催と言うことだったんですけど、そこをきっかけにして専門の団体を立ち上げようと 言うことになりまして「児童買春・児童ポルノ禁止法案を考える市民の会」と言うのをその場で作ったんですよ。
A: もうそう言う会があるんですね?
西: あると言えばあるのですが、事務局が「マン防」だったりするんです。
A: あぁ、そうですか。では一人づつ自己紹介を含めて、この法案の事を知ったきっかけと関わりについて話して下さい。
西: 西形公一と申します。ずっと長いこと「マンガ防衛同盟・『有害コミック』問題を考える会」略して「マン防」の方で性表現、性描写の問題とそれを規制する人の問題と、性と法律…性と社会の間の問 題…或いは性教育とかについてずっと活動してまいりました。
平: 平田輝といいます。ある出版社でゲーム系雑誌の編集長をやってました。5年7カ月務めて今年の5月20日付けで辞めてフリーになり、これからは仕事としていろいろなコミックもやって行こうと思っていますので、直接その辺に関わってくるのでは無いかと思っています。元々つながりとしては「マン防」の前の会「『有害コミック』問題を考える会」からつながりがあったんです。法案との関わりとか今回の物に関してそんなに気にしないでやって来たんですけど、打ち合わせしているマンガ家さんの方が結構詳しく知ってたりするんですよ。その作家さんはかなりメジャーでも活躍していて、エッチ系でも同人で売れてる人なんですが、その人が死活問題と言う話をしていたので、「法案が身近な所まで差し迫って来たんだなぁ」と僕も強く意識するようになり、自分の出来る範囲の部分で関わっていって、マンガ家さんも意見が言える様にするきっかけになりたいと思ってます。
米: やりながらコミックマーケット代表をやっている、米沢嘉博と申します。初めてこの話 を聞いたのは「風営法」絡みで「未成年の性を擁護していく」とか、「人権を守る」と言う形で進められてると聞いていたのです。3、4年前から「有害コミック」関係の時に地方自治体、県の条例を中央で法令化していこうと言う動きがあったわけですけど、その一環と言うのと、例の「子どもの権利条約」ですか、それに批准した事もあって去年ぐらいから出るぞ!と言う話を聞いていたのです。具体的に聞いたのは新聞で3月末頃に載ったと言うのを聞いたのがその時だと思います。詳しく検索したのが4月に入ってからですね。ですから、法令の内容は少し変更が加えられたらしいんですけれど、「児童買春 」に関してはいずれ作られる物だと思っていたのですが、「児童ポルノ法案」に関する曖昧な記述を含めて、結果的にマンガとか、同人誌とか様々な表現に関わってくる部分を一網打尽にしてしまおうと言う感じの曖昧さがあり、どう使われるかが非常に怖い…と言うものがありまして、こちらが関わったと言うよりも、勝手に関わってきたので、どう逃げるかと言うことを考えなくちゃ行けないなと、情報だけは準備会あるいは評論家としての部分であちこちに流して何らかの形で対応して行かなくちゃいけないなと言う話をしている状態なんです。
松: 松代守弘といいます。「メンズリブ東京」で法案について考えるイベントなどのスタッフをやってま す。最近は「マン防」の方と一緒に活動しています。自分自身としてはまたこう言うのが出たな…と言うことで、今度は少し首を突っ込んで活動をしていこうと思いまして関わりました。

▲左より・米沢さん、松代さん、平田さん、西形さん

●今回のこの法案は何時、誰が、どんな形で出されたものなんでしょうかね?

西: 一応経緯から言いますと、外国のいろいろな制度と法律の問題を考える場合、外国では一般にどんど ん性表現といった物を解放しているんですが、こういう児童ポルノとか言う物には非常に厳しいと言う事に気づいたんです。どうしてかと言うと人権と言うものを考えた時に、子供の場合は自分の意志じゃ なくって強制でもってやる部分がありますから、そういう物については厳しく取り締まる、自分の意志 でやる事については自由だ、というのが外国の基本的な考えだと思うのです。大体欧米ではそういう考 えでやっているわけです。さて日本ではどうか?と考えた時に「猥褻(わいせつ)」と言う事だけで、この表現が猥褻でいやらしいかどうかと言う事だけが突 出していて、そこに出演している者が自分が望ん で出ているか?という所は法律的にあんまり考えられてなかっんですね。ロリータ物、児童ポルノは特別な問題があるんだと言う認識がずっと薄かったなと思うんですよ。そういう事について日本の意識が低 かったことがここ2、3年急速に非難される事になって、特に外国では96年の東京国際会議とかで日本政府の対応を非常に非難したんです。それまで日本政府としては「子どもの権利条約」と照らしても、猥褻物頒 布とか、あと子供を出演させる事については「労働基準法や児童福祉法があるから問題ないですよ」と言う対応法をしていたんですけど、「実際には東南アジアで撮影して日本で販売されると言う時に日本では猥褻にあたらないから取り締まることは出来ない」。で、「外国で撮影していますから労働基準法とか児童福祉法では取り締まれない」と言う事で、結局その法の抜け穴があるわけです。日本としては結構それに目をつむっていたんですね。その事について非難が集中しまして、それでショックを受けた「自民」「社民」「さ きがけ」の与党三党が今回の法案をまとめて出そうと言う事になったわけですよ。
A: 「自民」「社民」「さきがけ」で出て来た法案ですか?
西: そうです。
A: それはいつ頃ですか?
西: 一昨年96年に法案を作ろうと言う方向に決まりまして、正式にプロジェクトチームとが作られたのが97年4月だったと思います。
A: そうですか。要するにそういう形で国会の方から出て来たんですね?
西: そうですね。国会の方から出て来て、政府の対応と言うよりは派遣された議員さんが、ショックを受 けて作ったと言う事で、議員さん主導と言うのがポイントです。
米: 議員立法なんですね。いわゆる外圧ですね。
A: 国際会議とかに出て行った議員さん達が外国に言われて、それで議員立法を出した……と。
米: その前にインターネット系でそういう話があって……。ドイツでしたか?
西: そうですね。外国では一般的に厳しく取り締まってますので、ドイツもそうなんですが、大体ヨーロ ッパの欧米先進国には「児童ポルノ」「チャイルドポルノ」を取り締まる法律はあります。そこから特にインターネットが発達した時に、日本では厳重に取り締まるべきものを堂々と掲示されてると言う事で非難が集中してた事もあります。
米: チャイルドポルノの輸出国としての日本が去年ぐらいから向こうで騒がれ始めて、現実に日本のAVとか未成年じゃないんですけれども、未成年に見えると言う事で書店から取っ払われたりとか……。美少女コミックの輸入を禁止したり、アニメの一部がそう言うのに指定されたりと言う事が去年ぐらいから結構出始めたと言う事です。そういう外圧の中で、現実にタイの少女の売春暴力ビデオ何かを見せられた女性議員たちを中心に動いたと言う噂があります。
西: そういう感じですね。女性議員主導で議員立法で作られたと言うことだと思います。ただ、与党三党「自民」「社民」「さきがけ」は各々全然違う考えの政党ですので、法案を作る作業自体、非常に紛糾したと言うわけなんですよ。「有害コミック指定」を青少年条例でやっていまして青少年の健全育成、子供を無垢にしておけば良い、と言う考えがあるわけですが、自民党としては基本的に健全育成と言う法律として考えて、子供を性から切り離す一環の物として作ろうとしたわけですね。「社民」「さきがけ」は子供への性暴力として捕らえて、性暴力を禁止する。性虐待と性暴力を禁止する法律してと考えていた様なんですね。
米: 今回に限り、児童ポルノ法案はどちらかというと抱き合わせで出て来た感じが非常に強いですね。だから非常に検討されていない部分が多いんで、さっきいった曖昧な部分が多いと言うのはその辺にあるんじゃないかと思っています。
西: たぶん与党三党で調整している中で、その辺を調整不足のままとりあえず上っ面だけ合わせて盛り込 んでしまったと言う所がありまして、その結果どういう哲学理念で作られているのか良く解らない法律になっていると。
平: マンガの現場でもいつの間にか確実に進行しているという思いがあったんですね。有害規制という時は結構表立って動いていたのが凄く見えてたんですけど、それが全然波風がない様な形で、何かこんな所まで決まっているんだよみたいな話になってて。
西: 「有害コミック問題」の時は全国的な有害図書規制の盛り上がりがあったと思うんですけれども、今回そう言うのはなかったですね。どちらかと言うと外圧が永田町の政治家にダイレクトにやって来て、永田町の中と人権の活動を専門にやってきた団体が一緒になって作ったと。
A: それは具体的にどんな団体なんですか?
西: そうですね、国際的なキャンペーンに賛同して来た団体ですね。
米: つまりフェミニズムであったり、レイプと言う物も含めて子供や女性の権利を守るとかそういう側ですから。これまで反対に立ってた側に有無を言わさぬ形で作っちゃったと言うのは、やり方によっては上手いですよね。
西: そうですね。
平: 女性議員に「アジアの子供を守るため」という大義名分を持ち出されては男性議員からは何も言えないわけです。ここで買う側(買春)はいつも男なので……。
米: だから基本的な路線に関しては反対出来ない。
松: ただ前回主導でやった人達が今回主導でやっているかと言うと実はそうではなくって、割と前回主導であっても今回の運動にはタッチしていない、もしくは距離を置いてる人がいたり……。


●今現在、この法案はどうなっているんですか?

西: 今はですね、議院運営委員会と言う所に最初にかかるわけですけれど、委員会で審議をして本会議で最終的に採決をすると言う事が衆参で1回づつ繰り返して法案になるのですけど、それで私達「マンガ防衛同盟」の方は法務委員会の方に落として欲しいと要求していたのですね。法律的な問題点が今回多いと思いましたんで、法務委員会ではそれについて非常に詳しい議員さんが審議すると言う事だったんです。ところが「自民党」の皆さんは厚生委員会と言う児童福祉を担当する方に降ろそうと最初お考えになったんですね。どっちかというと、法務委員会の方は他にも様々な法律がありましてラッシュになっていてなかなか通らないので、割とさっと通ると言うことで厚生委員会の方にかけようとしていた様ですが、我々の方でいろいろ努力しまして法律的な審議をする法務委員会にかけさせる事は成功しました 。
A: 修正案が出されたと聞いたんですけど、と言うことはまだ通っていないんですね。
西: 現時点では通ってません。
米: 審議にかかってない? どこまでいってるの?
西: 法務委員会にかけることは決まったと言うだけで、審議をかけることを決めた段階です。
A: それで修正案を民主党の方から出されたと聞いたんですけど。
西: そうですね。それもやりました。「マン防」の方でも協力したんですけど。
A: そうですか。民主党の人と?
西: そうです。協力させていただいて、私達の意見も反映させていただいたんですけれども、民主党のほ うで修正案というより修正要求を作りましてね。少なくとも今出されている法案はこことこことここだけは最低限おかしいと言うことをまとめて出しました。ただ民主党の方でもそもそもこの法律、ごった 煮的になっていますので、このまま通すよりはまだましというものを出したということでして、本当はですね、根っこから法案そのものを一旦廃案にして出すのが筋であろうとは言っています。


●この法律の問題点を教えてください。

西: 特に被害を受けた子供のケアーの部分とですね、児童買春と児童ポルノを処罰すると言う事が一緒の 法律に盛 り込まれていますので、そこの所を一つの法律にそもそも盛り込むべきではないと思うんです 。
米: 別々にすべきなんですよ。児童買春の問題と児童ポルノの問題は別 なんですよ。
A: これが一緒になっちゃったんですよね。
米・西: そうですね。
A: 法案を読むと目的がものすごく長いですよね。「児童に対する性的搾取及び性的虐待が児童の権利及び利益を著しく侵害することの重大性にかんがみ、児童買春、児童ポルノに関わる行為等を処罰するとともに、これらの行為により心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置を定め、もって児童の心身の健やかな成長を期し、あわせて児童の権利の擁護に資することを目的とする」とありますが。
西: そうですね。最後に児童保護等に関する法案と入っていますけど、それ法案要項を発表する記者会見の直前まで迷って直前に入れたらしいんですよ。記者会見の時間を遅らせて入れたと言うことです。
米: 出だしは良いにしても結局は健全な育成を云々かんぬんでまとめられているから、口当たりは良いんだけれども、何が健全な育成なのか全然出ていないし。
A: まだ廃案に追い込む可能性はありますか?
西: そうですね。我々自身としては今出てる法案は廃案にした方が良いと思いますが、ただ我々自身がこう言う類の法案が出ることについては反対ではないといいますか…。
A: ちょっと皆さんにお聞きしますが、基本的に確認しておきたいんですけど、この法案に反対と言うわけではないんですね? 要するにある一部分は認められると言う。
西: もうちょっと言っちゃえば、この法案の理念は賛成出来る。でも言いたいことは賛成だけれども、出て来た法律には反対だ!と言う感じですね。
A: そうですか。米沢さんも?
米: 児童買春に関しては基本的に正しいんじゃないかと思っているんですけど。
A: 皆さんそうですか?
西・平
・松:
そうです。
米: ただ児童ポルノに関しては、児童ポルノが何であるか?と言う規定が全然出来ていないわけなんで すよね。で、実際に見たのかどうか?たぶん、男性議員達は「いや若い子描いて!」ぐらいに考えてな いかもしれないし、女性達は「少女が!」と思っているのかも知れないけど、実は少年ポルノの方が数は多いわけで、誘拐されている男の子の方が多かったりするわけですよ(笑)。そんな物も知らないし 、実際なんなのか解っていないんじゃないかと。
西: そうですね。大体自民党で法案出す了承をした時にですね、タイの方で子供を縛っている様な写 真をですね、一番酷い奴を数枚見せて「じゃ了承して下さい」と言ったら皆取り敢えず、了承せざる終えな いですね。こう言う事をしたそうです。それで実際にこの法案がこのままで出来た時に、真っ先に取り締まられると思うのは、恐らく女子高生の投稿写真雑誌ですね。

(続く)


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