冬コミ53レポート
コミックマーケット53回 97年12月28/29日
世界の同人誌紹介と交流展
企画コーナー初の試み
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昨年12月28、29日に開催されたコミックマーケット53回において、『世界の同人誌紹介と交流展』と題する展示会が行われた。
発案は“AIDE新聞編集部”(共信印刷(株))で、当日は台湾の同人誌に詳しいサークル“バービー倶楽部”“カラオケの艦隊”やヨーロッパのマンガ事情に詳しい堀越さん(コミケ国際部)の協力によって集められた約40点余りの同人誌が展示され、会場の一角に置かれたテレビでは台湾で行われた即売会の様子などが流された。
また、28日15時からは、韓国よりコミケに参加した漫画サークル連合団体「ACA」の代表2人が参加し、コミケット準備会国際部の石上さん司会によりパネルディスカッションが行われた。
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実は昨年10月台湾の萬年大樓ビル(おたくビル)を取材している折、台湾にも同人誌があるということに気がつきまして。そこの店長が「是非この同人誌を買っていって、日本の皆さんに紹介して下さい」と熱く語るので買ってきたものの……、さてどうしようと考えていたそんな時、「企画コーナーがあるんじゃない」そんな一言から企画書を提出、OKが出たので皆さんの協力を得て実験的にやってみました。
第2回以降もこのような企画を開きたいと思っています。外国の同人誌で珍しいもの、「こんな国でも同人誌が出ているよ」という方がいらっしゃいましたら編集部か企画コーナーに持ってきて下さい。
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●場所は西館4階企業ブースコーナーの一角 |
第一回
国際パネルディスカッション
コミケ当日はスタッフ・サークル・印刷屋・顧客は超〜忙しい、そんな中、とにかくやってみようと始まったパネルディスカッション。その第1回目はいかがだったでしょうか。スタッフの方々のレポートを紹介しておきます。協力スタッフの方には時間がなくいろいろとご迷惑をおかけしました。
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●パネルディスカッションの様子。
急遽会場を作ったためお客さんが後ろになってしまったのは問題だったようです
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<白衣を着た人が「石上さん」
救護室から直行です。
隣2人が韓国の「ACA」代表、
左端は通訳の先生です。
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▲左端より「本郷さん」
隣が台湾の「コニー・ヤンさん」
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▲左から「堀越さん」
スウェーデンの「クリステル・ヨアスさん」
USAでスタッフだった「クリスさん」
隣がUSAからの「マイケル・ハウスさん」
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協力スタッフより一言
●「テーマ設定にやや無理が……」
(コミックマーケット国際部)石上 佳孝
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| ◆第一回国際パネルディスカッションを終えて◆
共信印刷さんのご好意で今回企業スペースにおいて第一回国際パネルディスカッションが開催されました。
メンバーは台湾および韓国からの参加者およびわれわれ欧米スタッフでしたが、当初想定されていた「海外の同人誌」というテーマ設定にはやや無理があるように思えました。これは基本的なことですが海外と一口に言っても国によってまったく状況が違い、日本で言う同人誌という活動形態がみられるのは日本の影響が強い東南アジア地区に限られるからです。
また一口にアジアと言っても元来オリジナルの文化があまり無かった台湾と自国の文化に高いプライドを持つ韓国では当然違いがあります。また欧米では一般的にファンがマンガを自費出版するコト自体がほとんどありません。
ですからこのような対談を考える場合お互いの状況を認識するところから始めることが肝心で、さもなければ会話すら成り立たないことになります。そういった意味から見れば今回お互いの違いを認識できたということが成果
だったと思います。
あと言葉の問題はやはり重要で英語が一般的に通じる欧米に比べかえってアジアでは英語が通 じにくくこれが草の根の交流を妨げている可能性があります。違いを認識しお互いの文化を尊重し合うことが国際交流であるのなら今回の企画はまさにその流れに沿ったものであり、継続することが重要なのではないかと思います。
このような機会を与えていただいた共信印刷の中村さんに改めてお礼を申し上げるとともに皆さん一人一人が世界の中の日本の文化という立場で同人誌を考えていただきたいと思います。そのような観点から見るとこの日本の同人誌というものは世界に類を見ないユニークな表現形態であることがわかってくるはずで、この新しい文化を生かすも殺すも同人即売会に参加する人々にかかっているからです。
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協力スタッフより一言
●「ディスカッション・報告にかえて」
(午睡庵)堀越 和子
さてComic Market53での第一回「国際ディスカッション」がどのようなものであったかというと、参加者が実作者であるサークル連合代表(韓国)、批評&翻訳者(台湾)とコミケ準備会国際部からアメリカでの日系作品に詳しいファン(USA&スウェーデン1名含む)と、たまさか西欧諸国情報担当(;)で私、Hという、まさしく国際色豊かなものでした。アジア勢は全員女性です。
共信印刷N氏よりの提示のテーマが「各国同人誌事情」でしたので、国際部チーフI氏の司会により日本語&英語&韓国語を交えてそれぞれの現状報告がなされました。
韓国では現在100 グループからなるアマチュア・コミック・アソシエーション(ACA)が活動中で、年数回のイベントを開催している。台湾では、ご存知の方も多いと思いますが、日系主催のイベントも併せて開催されるようになってきている(100
〜200 サークル規模)。アメリカでは残念ながら、日本式の同人誌活動は少なく、レベルも高くない……。
本来なら各国ごとに述べるべきなのですが、文化背景的なものをまとめておくと、欧米では日本の同人誌に相当する層がプロ志願、セミプロといったごく薄い層しか存在しないために、独立したアマチュア活動といった創作&発表の場がありません。対して東アジアを中心とした地域(マレーシアまでの華僑圏全域を含む)はハッキリと日本まんが・アニメ&同人誌文化の影響下にあって、同人誌に関してはスタイルもそのまま踏襲されています。21世紀へ向けてこれから伸びていくことでしょう。……マア、後はパリだけがチョット例外でして…;BD(仏製漫画)とMangaの共存が、あの国でどういう展開になっていくことやら、ヒジョーに興味尽きないところではありますが、どーなりますコトやら。世界は日々動いています。コミックマーケットを接点&焦点としこの企画の意義は継続することにあると思います。次回に期待して下さい。
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協力スタッフより一言
●「ことの起こりは」
(カラオケの艦隊) 本郷正子 / (バービー倶楽部) たいらめぐみ
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○カラオケの艦隊(本郷正子)
ことの起こりは97年10月、台湾で開かれた同人誌即売会「コミックワールド台湾」。日本と台湾の企業が合同主催したこのイベントは、ただ日本の同人誌を台湾へ持ちこむばかりではなく、日本のサークルに台湾へ直接行くことを呼びかけていたところが画期的であった。これはぜひとも参加したいと思い、気合いを入れて日中2カ国語構成の新刊なども作って参加申込み。準備は万端、ふふふ、さぁ会場に乗りこむわよ〜!
……ところがわずか数時間後、心身ともにヘロヘロになって会場から逃げ出し、道ばたにへたりこむ羽目になってしまうとは一体だれが予想できたであろう。
実は、主催者の予想していた以上に会場は大混雑のパニック状態になってしまったのだ。マイナーサークルゆえに人ごみに免疫が無く、おまけに中途半端に中国語が分かるばかりに周り中から質間責めにあってしまい、あえなく脳細胞がショートしてしまった。
そんな時である。「ちょっとインタビューいいですかぁ?」と語りかける、あやしげなオッサン(意外に歳は若いのか?)が来たのは。体が細い割に重い荷物を軽々と持ち歩いているこの人、何者?
渡された名刺を見てビックリ。誰あろうこのお方こそ、コミケットカタログでおなじみの共信印刷の社長であったのだ。全然知らなかったよオイオイ! だって、一体どこの世界に社長が一人でカメラとマイクかついで海外取材に出かける印刷屋があるのだ。同じ会場で、〇〇社の社長はビシッと背広を着てゲスト様になっていたと言うのに、共信は杜長が取材マン。これがAIDE新聞の実態だったのか……。かくして、この時の縁がもとで冬コミ企画コーナーでの「世界の同人誌展」をお手伝いすることになった。
しかし、軽〜く考えていた私のもとに山のような同人誌が届いたのは、実はコミケ合わせオフセット締切り並みに迫った時期であった。「中身を読んで展示の時に内容説明のキャプション付けてください。ビデオもあります」…って、40冊以上あるんだけどコレ全部読むの〜!?
(当然オール外国語)
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○バービー倶楽部 (たいらめぐみ)
企画コーナーに、台湾の同人誌にキャプションを付けて展示する事が決まったのは、確か12月の初旬頃。ただでさえ準備期間が短かいうえに、自分たちの同人誌作りに追われていたわたしたちは、冬コミ初日の朝、会場でキャプションを付けるという暴挙に出た。
わたしと本郷さんが同人誌の内容をチェックしてキャプションを指定。台湾の少女マンガ評論家が補足説明を加え、デパート勤務経験のあるプロのマンガ家がキャプションの清書。元図書館員が同人誌をセッティングし、十数年ぶり(!?)にコミケに引っ張り出された編集経験者が壁面
の装飾。プロフェッショナルな技術を持つ友人たちが、絶妙のコンビネーションで流れ作業をしてくれたおかげで、開場後30分もしないうちに無事展示物のセッティングは終了した。台湾の同人誌には簡単なキャプションしか付けられず、フランスの同人誌に到っては内容が読めないのでお手上げ状態。台湾のイベントをレポートしたビデオには説明もろくに付けられないという体たらくだったが、海外にも同人誌があるという事実を多くの方に理解して頂けたという点では、一応成功と言えるのではないだろうか。
しかし、企画コーナーのメインとなるべきパネルディスカッションは、もろに準備不足のしわ寄せを食ってしまった感がある。各国のパネラーが初対面
では話しが弾まないのも無理からぬことだが、興味深い話題が多かっただけに、消化不良のディスカッションがいかにも残念だった。言語的な問題もあったと思うが、パネラーが全員壁面
に向かって座り、観客を背にして話し合っていたのも話しが弾まなかった原因の一つかも知れない。
私事ではあるが、パネルの韓国語通訳の方は、わたしを台湾に留学させてくれた学校の留学担当の先生だった。「おかげさまで今では台湾のマンガもラクラク読めます!」と挨拶をしたら、実に複雑そうな顔をされていたのが今でも忘れられない。
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