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特 集業界探検インタビューイベント主催者に聞く 同人誌即売会
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■プロフィール |
A: |
コミックキャッスルが6月で終わりになると聞いたんですが、本当ですか? |
木: |
ええ、本当です。6月21日でファイナルになります。 |
A: |
いつの間にか消滅してしまうイベントが多い中、キチンとした形で終わられると聞いたので、それはどういうことなんだろうと思って聞きに来たわけなんです。キャッスルを主催しているのはブロッコリーさんですよね。ブロッコリーといえば手広く事業を展開していますが。チョット意地悪な質問なんですがイベントが儲からなくなってきたのでやめる……わけですか?。 |
木: |
同人誌の世界というのは「儲かる」という言葉に非常に過敏になる世界なんで、「儲かる」とか「儲からない」とか「損する」とか、そういう言葉はあまり使いたくないんですが、「会社として続けていく意味があるかどうか」と言えば「コミックキャッスルは非常に意味があります」。 |
思えば4年前……
■第一回目のキャッスルはいつだったのでしょうか?
A: |
94年6月19日に第1回目をやられましたが、その頃の苦労話とかありますか? |
木: |
まず私自身が同人誌の即売会に行ったのが93年の9月頃なんですよ。それまで同人誌というもの自体見たこともなかったし、即売会も行ったことなかったんです。だから今タネを明かすと、第1回目のキャッスルでは即売会のスタッフをやった経験のある人が1人しかいなかったんですよ。何もかも初めてだったんですね。 |
▲インタビュー後、ポスターを手にする木谷さん
木谷さんのユニークな同人誌説
■同人誌はキャラクター商品だ」………!?
A: |
同人誌の方が開くイベントと、キャッスルさんの開くイベントはアプローチが違いますよね。その辺が興味を持っているところなんですけど。この頃コミックマーケット以外のイベントで本の売れ行きが落ちていると聞くんですが…? |
木: |
そうですね。女性に関してはわからないのですが、男性に関しての同人誌が仮にあまり売れなくなっているとしたら、答えは簡単ですね。同人誌というのは結局キャラクターグッズなんですよ。 |
A: |
キャラクターグッズと言ってもコミックマーケットの場合、みんな似たようなものですよね。 |
木: |
それぞれのサークルがやってますから、メーカーが違うと考えられるわけですよ。それぞれが宣伝活動をして、それぞれが少しずつお客さんというかファンを抱えてますから、人が集まるのは当たり前なんですよ。 |
A: |
非常に面白い見方ですね。 |
木: |
男性に関して、もし下火になっているとしたらキャラクターグッズの数自体が他にいろいろ増えてきたわけなんですよ。例えばトレーディングカードとかですね。ようするに、同人誌と競合するキャラクターグッズが増えてきたと。コミックにしてもゲームにしてもアニメの番組にしても、3年前に週30番組位だったものが、この4月〜はCSやWOWOWを入れると70番組あるんですよ。 |
A: |
へー、そんなにありますか? |
木: |
そうすると全部がキャラクターグッズ化されるわけじゃないですが、昔は数が少なかったから同人誌というのは貴重で魅力のあるジャンルだったんですけど、相対的にシェアが低下している、という捕らえ方だと思うんですね。 |
A: |
なかなか面白い切り口で同人誌を捕らえていますよね……。そのほか、毎週のように、オンリーイベントもふくめて即売会がどこかで開催されていますが即売会が増えすぎて、「イベントに毎回は新刊を出せない」という声も聞くんですが。 |
木: |
数が増えすぎたというのもあるでしょうね。それとやっぱり個人がやる方が面白いものができるわけですよ。だから企業が、企業という言い方はあまり好きじゃないんですが、企業が即売会を運営する時のお客さん、この世界では参加者と言いますが、参加者のメリットはきちっと運営されている、定時に始まって定時に終わる。手続きも間違いがないし、問い合わせ電話をかけてもちゃんと人が出る。信頼感だと思うんですよね。 |
▲イベントカタログ、表紙はピカピカに表面処理されている
キャッスルのポリシー
■「イベンターは黒子!主役はサークルだ!」…?
A: |
コミックキャッスルさんのポリシーというのは? |
木: |
一般のお客さんをいっぱい呼ぶことですね。 |
A: |
カタログもきれいですよね。 |
木: |
そうですね。最初始めた時はいろいろ言われました。カタログの中に遊びがないとか、参加する部分がないとか。 |
▲ブロッコリーが経営するゲーマーズ
再スタートは何処が……?
■キャッスルを引続いてやってくれる人、探してます!
A: |
そういうことができにくくなったということですか? つまり自分のポリシーに合わなくなったということですか?やめるのは。 |
木: |
そうですね。うちも取引企業が増えてきましたんでいろんな企業さんとつきあわせて頂いている関係上、業務的にも忙しくなってるし、取引上運営はここら辺で控えるべきなのかなと。 |
A: |
お客さんたちにも迷惑がかかってしまうような、きちんとできなくなってしまうというようなことですか? |
木: |
今はないですけれど、かかってきてしまう可能性が将来的にはあるかもしれないと。 |
A: |
キャッスルをどなたかに譲るということですか?それは個人でも企業でもいいんですか? |
木: |
会社からも個人からも希望が来てますけれど、なるべく会社形態できちっと責任、というのはイコール、リスクなんですけど、責任をとって運営してくれるところを選考させていただいてます。ですから名前が変わるかもしれないですけれど、年に4回サンシャインという場は継続していきたいなと思っています。 |
A: |
条件としてはどんなことがありますか? |
木: |
運営をきちんとやってくれるかどうかのみですね。売るわけでも何でもないんで、そのままお渡しします。顧客リストとかそういったものは当然お渡ししません。DMを打つ時はうちから打ちます。これだけ集客がついてますので、最後の時にチラシを配って、夏コミでもチラシをまかせてもらえれば、9月末位には新しいイベントの1回目はできるんじゃないかなと思っています。 |
A: |
そういうことであれば参加者もサークルも不安はないですね。 |
木: |
イベント始めといて、こっちの調子がよくなったから「用済みだからやめます」というわけにはいかないですよ。区切りは区切りで主催者が変わったということはハッキリ示すためにも「ファイナル」にして名前ももしかしたら変わるということでやった方が参加してくれる人にもわかりやすいかなと思います。 |
■最後のキャッスルはスゴイゾ!
A: |
最後のキャッスルで何か計画していることはありますか? |
木: |
今まで最高で1080位のスペースが集まってたんですが、今回は2000を必ず超えるよう目標にしています。あと今まで6700人というのが来場者の最高なんですが、これも 12000人を目標にやります。ということでサンシャインを全館借りることになります。規模的に大きくしたいと思っています。今まで参加していただいたことがあるサークルさんや一般の方に是非来ていただきたいというのもありますし、名前だけ知ってて1度も出たことがなかった人も参加していただきたいと。現状は好評に進んでいます。いつもの倍の早さで集まって来ていますので、満杯はほぼ間違いないでしょう。 |
A: |
サークルの締め切りはいつまでですか? |
木: |
5月20日です。でもすぐいっぱいになっちゃう可能性があるんで、なるべく早目に申し込んで下さい。チラシも5人の作家さんに描いてもらって5種類作ってますし、ポスターは1回目で描いていただいた七瀬葵さんにまた描いて頂きました。記念テレカとか関連グッズも少し出ます。最後ですから今までの歴史を振り返るような特集を中に入れたり、お祭り的ないつもやって好評な福引とかもやります。その他いろいろ考えていますので楽しんでいただけると思います。 |
A: |
最後に「AIDE新聞」の読者に一言どうぞ。 |
木: |
今後はキャラクターグッズを作るメーカーとして、あと小売店として、場合によってはゲームショーの中でやっているようなメーカーさん公認のオフィシャルな同人誌のイベントをやるということは可能性としてあると思います。うちの会社が打ち出しているゲーム・アニメ・マンガのファン活動のサポーター役をやるという路線は続けていくと思いますので今後ともよろしくお願いします。 |
*1 シナジー=(共働の意)1:分散した状態にある集団や個人が互いに適応しあうことで統合されていく過程。2:ある集団が目標を達成するために費やすエネルギーの総体。 |
インタビューを終えて……
手広く事業を展開している社長さんらしく、お客さんに対する気配りはさすがだなぁと思わせるものがありました。それはとりもなおさず資本の論理なのでしょうか。そうするとオンリーイベントは何の論理で動くのがベストなのでしょうか……?
くしくも3月31日、インタビューをした日は、ニュースで「山一証券自主廃業最後の日」を伝えていました。そのことを質問すると「このインタビューには関係がないし、今発言するのは適当ではないので」といいながら話をしてくれたのですが……、その話はとうぜん没です。
4
目次 |
冬コミ53レポート 世界の同人誌紹介と交流展 国際パネルディスカッション |
業界探検シリーズ第4弾 プロの編集者は同人界をこう見ている |
業界探検インタビュー コミックキャッスルが終わる! |
イベント1ページレポート こみっくさらだ 川越20A |
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