特 集
行ってみるシリーズ第11弾
●ちょっとコーヒーブレイク●
たのしい台湾エヴァ
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98年1月から台湾でも正式に放送開始された『エヴァンゲリオン』。その特徴は、なんと言ってもセリフが中国語に吹き替えられている点だ。涙と笑いの止まらない中国語チェックの一部を紹介しよう。
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・ テ ー ゼ の 無 い 天 使
まずはオープニング。おなじみの『残酷な天使のテーゼ』の画面には、日本語歌詞の中国語字幕が付いていた。おお、これは気合いが入っているなぁ〜、と思ってたら、あららなんだか様子がおかしい。字幕を追っていくと、明らかに元の歌詞と内容が違ってくるではないか。ためしに字幕を直訳してみよう。
【残酷な天使の如く/少年よ神話となれ/青い空が心の扉を叩いているというのに/あなたは静かに微笑んでただ私を見つめている/外の世界の邪悪を変えようとしているあなた/夢さえも持たない瞳には痛みと悲しみが満ちている/でも私は信じてるいつかあなたの肩には/遥か未来へ飛びゆくための美しい翼が現れる/残酷な天使の翼/愛がため窓より飛び立つ/はじき出される言語と神話/思い出さえも風に過ぎゆく/空を抱き光を放ち/少年よ神話となれ
】
……こりゃ、どう見ても意図的な改訳だ。やはり「そっとふれるもの」の部分は、ちょっと性的な感じでマズいのかな? 清く正しく伝統的なアニメソングに仕立て上がっているのが笑える。
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・ 男 ら し い シ ン ジ
シンジとくれば、名セリフ「逃げちゃダメだ」が有名。ところが台湾エヴァの中国語ではこのセリフ、「不能逃避!(ブーノンタオピー)」と言っている。意味合いとしては『逃げる事などできない(いや行かねばならぬ
)』と言う、かなり男らしい言葉である。実はこれ、日本と台湾とのお国柄が違うせい。台湾の男子には兵役義務があり、男たるものいざと言う時は愛する人や祖国を守るために戦うのが当然、という気風がある。もしも目の前に血だらけの女の子が倒れていて、そこで日本のあんなセリフを吐こうものなら「こいつ人間のクズ」と思われかねない。さすがに第一話から視聴者に見限られたのでは番組が成り立たない。そこでシンジの根性を台湾標準に合わせる必要があったのだ(と私は思う)。シンジ、お気楽な日本に生まれて良かったね。
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・ 妙 に カ ワ イ イ ぞ、ゲンドウ!
もっとも笑えるのがゲンドウ。冷徹なスタイルがウリのはずの彼なのに、台湾側のたったひとつのカン違いによって台無しになってしまった。なんと台湾のゲンドウは、綾波のことを『小零(レイちゃん)』と呼んでいるのである。中国語であの冷たい感じを出すのなら「綾波零!(リンポーリン)」とフルネーム呼び捨てにするべきなのだが(シンジの事は呼び捨てにしてる)、さすがに女の子には冷たくしちゃいかんと台湾側が思ったのかどうか。おかげで第五話の回想シーンでは「レイちゃん!大丈夫かレイちゃーんっ!」と絶叫しながらヤケドするオヤジと言う、世にもカワイイ男に成り下がっている。しかしこの意地っ張りで可愛いところ、「ゲンドウ受」派にはたまらないかも。
文章提供:本郷正子さん
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