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以上、全体としては意味の大きいシンポジウムだったと思うが、惜しむらくは各国の漫画事情のプレゼンテーションが充実していた分、パネラー同士が意見交換する時間が減ってしまい、少々もの足りない感があった。また、オンラインコミックによる既存出版の不振などが議題に上ったが、限られた講演時間の中では、今回のテーマである「女性と漫画」に焦点を絞った、より深い討議を聞きたかった。
会場の外に設けられたギャラリーでは、参加各国の漫画原画や雑誌、単行本などが展示され、手にとって自由に見ることができた。多くの来場者は、言葉は分からないながらも熱心に雑誌をめくり、イラストに感嘆の声をあげていた。
例えば現在、アメリカで生まれたロックやラップは、世界各国で受け入れられているが、そのサウンドは、地域の特色に応じてさまざまに変化している。その地域固有のサウンドを取り入れながら、自分たちの言葉で、自分たちの社会について歌うことで、それらはより多くの若者から親しまれるようになった。
同じように今、日本で生まれた「漫画」という表現手段を使って、さまざまな国や地域の人々が、自分たちの文化や社会への思いを描き出し、また読むことでその思いを受け止めている。
今回の討論のようす、またギャラリーで漫画に見入る来場者の表情を見ていると、言葉の壁を乗り越える工夫と、ある地域の文化や社会へのちょっとした関心さえあれば、海外の漫画がもつ素敵な輝きを、誰もが発見できるのではないかと確信した。そして、それは日本の漫画界にとっても大きな刺激となり、私たちの漫画文化をより一層豊かにしてくれるのではないだろうか。そんな気持ちになる、この2日間であった。■
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